2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ骨材反応による構造物の長期劣化メカニズムの分析
Project/Area Number |
17360216
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
幸左 賢二 九州工業大学, 工学部, 教授 (00315160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 晋 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30168447)
宇治 公隆 首都大学東京, 都市環境学部, 準教授 (70326015)
原田 哲夫 長崎大学, 工学部, 教授 (50136636)
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Keywords | コンクリート / 耐久性 / アルカリ骨材反応 / 鉄筋 / 鉄筋破断 / 耐荷力 |
Research Abstract |
平成18年度には,以下の項目について検討を行った. 1)構造物の長期劣化メカニズム解明 前年度に引き続き,阪神高速道路公団のアルカリ骨材損傷橋梁(89基)の点検データを基に,現地調査,データ収集,分析を行った.まず,ひび割れや圧縮強度の長期劣化特性評価より,30年間に亘り劣化が進行していることを明らかにした.ついで,鉄筋破断発生位置とひび割れ状況の関係に着目した分析を実施し,鉄筋破断位置近傍に必ずコンクリートのひび割れが発生していることが明らかとなった.最後に,コアー膨張試験と発生ひび割れ量の関係についての考察を実施した. その結果,圧縮強度は2割程度の低下で漸減すること,膨張試験結果では,残存膨張試験と,構造物の膨張量および試験体の膨張量に明確な相関が認められることが明らかとなった. 2)鉄筋破断メカニズム解明 帯鉄筋が破断に至る要因を明確にするための膨張材を用いた鉄筋亀裂の進展度評価試験を行った.その結果,旧節形状,鉄筋曲げ加工半径が小さい場合には,鉄筋の曲げ加工面での大きなひび割れの進展が確認された.具体的には,曲げ加工半径1.0dの場合,平均亀裂深さが旧節形状鉄筋は0.254mmであるのに対し,現行鉄筋は0.017mmと,10倍以上の差異があった. また,旧鉄筋を用いた1.0dの曲げ加工半径の鉄筋では破断が確認されるとともに,破面観察の結果,実構造物と同様な脆性的は破面状況が再現され,鉄筋損傷に至るメカニズムが明らかとなった.
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Research Products
(3 results)