2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ骨材反応による構造物の長期劣化メカニズムの分析
Project/Area Number |
17360216
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
幸左 賢二 Kyushu Institute of Technology, 工学部, 教授 (00315160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 晋 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30168447)
宇治 公隆 首都大学東京, 都市環境学部, 教授 (70326015)
原田 哲夫 長崎大学, 工学部, 教授 (50136636)
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Keywords | コンクリート / 耐久性 / アルカリ骨材反応 / 鉄筋 / 鉄筋破断 / 耐荷力 |
Research Abstract |
平成19年度には、以下の項目について検討を行った。 1)構造物の長期劣化メカニズム解明 アルカリ反応により損傷した実構造物の経年的な調査データを基に分析を行った。既往の検討や調査報告により、ASR構造物のコア-物性値は長期的に低下していくことが知られているが、その低下推移やひび割れとの関係性に着目した検討は少ない。そこで、長期的に進展するASRひび割れとコンクリートの物性低下率との関係性評価を目的として、実構造物の調査データの分析および供試体実験により検討を行った。その結果、橋脚全体のひび割れ損傷度から内部コアの物性低下率を推定できる可能性を示し、ASRひび割れと物性低下の関係を明らかにした。具体的には、竣工後、10年まで圧縮強度は大きく低下し、その後漸減する傾向にあるが、これは補修されたひび割れの再開口が多く、新しいひび割れの発生が少なくなり、ひび割れによる損傷が緩やかになることが影響していると考えられる。 2)鉄筋破断メカニズム解明 ASRによる鉄筋破断は鉄筋を曲げ可能した際に生じる初期亀裂が起点となっており、鉄筋破断を予防するためにも初期亀裂の発生メカニズムを明らかにする必要がある。そのため、鉄筋曲げ加工試験により初期亀裂の発生傾向と発生メカニズムの推定を行った。試験結果によると、初期亀裂の発生には曲げ加工半径、節形状が影響しており、特に節形状の影響が大きいことが判明した。また、現行の鉄筋をJISG3112の規格通りの曲げ加工を行って使用している場合、ASRによる鉄筋破断の可能性は極めて低いことが明らかになった。
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Research Products
(3 results)