2005 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート部材の劣化診断と耐震補強に関する実験ならびに解析的研究
Project/Area Number |
17360218
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
水野 英二 中部大学, 工学部, 教授 (80144129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平澤 征夫 中部大学, 工学部, 教授 (50065281)
小池 狭千朗 愛知工業大学, 工学部, 教授 (70064938)
畑中 重光 三重大学, 工学部, 教授 (00183088)
小林 孝一 中部大学, 工学部, 講師 (20283624)
伊藤 睦 中部大学, 工学部, 講師 (00345927)
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Keywords | 構造工学・地震工学 / 耐震 / 鉄筋コンクリート部材 / 補修・補強 / 劣化診断 |
Research Abstract |
平成17年度のRC部材(はりおよび柱)に関する実験ならびに解析的研究の成果は以下の通りである. 【損傷を有するRC部材の残存性能と補修補強後の性能評価に関する研究】 RC部材の損傷指標の検討と補修後の性能を評価するための基礎的なデータを取得することを目的に,曲げ破壊するRCはりの載荷実験を行った。損傷指標に残留ひび割れ幅を用いた結果,残留ひび割れ幅と最大変位の間には相関性が確認された。ひび割れ注入や圧壊したかぶりコンクリート部の断面修復を施した補修試験体の載荷実験からは,初期載荷時に引張鉄筋に生じる残留ひずみ・応力が補修試験体の耐荷性能に影響を及ぼすこと,補修方法によっては破壊領域が広がることが確認され,補修試験体の性能評価が可能な解析モデルの構築にあたっては,これらの要因を適切に考慮する必要がある。 【内部欠陥を有するRCはり部材の耐荷性能に関する実験的研究】 RC構造物は経済的で力学的にも優れた構造であるが,近年,施工時に発生する初期欠陥や予期せぬ劣化のために,耐荷力が損なわれる例が数多く報告されている。そこで,本研究では初期欠陥の例としてジャンカ,耐久性低下の例としてアルカリ骨材反応による鉄筋破断を対象とし,これらを模擬するモデル欠陥を有するRCはり部材の曲げ試験を行ない,その耐荷性能を調査,検討することとした。その結果,横拘束筋間隔の異なるRCはり部材において,ジャンカの大きさ,位置,または横拘束筋の切断状況が部材の耐荷性能に対して与える影響について,明らかにすることができた。 【内部欠陥を有するRCはり部材の耐荷性能に関する解析的研究】 アルカリ骨材反応(ASR)により生じるせん断補強鉄筋(スターラップ)の破断および施工不良により生じる内部空隙(ジャンカ)などの内部欠陥が鉄筋コンクリート(RC)はりの耐荷性能ならびにポストピーク挙動に与える影響について解析的に検証した.ここでは,スターラップ切断の本数,ジャンカのサイズおよび位置を要因として採り挙げ,内部欠陥が存在する周辺のコンクリートへの拘束効果を変化させた有限要素解析を実施し,解析結果と実験結果とを比較することにより,コンクリートへの拘束効果について考察した.
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Research Products
(6 results)