2006 Fiscal Year Annual Research Report
地すべりや斜面崩壊等の間欠的な土砂移動現象による地形形成プロセス
Project/Area Number |
17360229
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
泉 典洋 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (10260530)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渦岡 良介 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40333306)
風間 聡 東北大学, 大学院環境科学研究科, 助教授 (50272018)
|
Keywords | 地すべり / 斜面崩壊 / ガリ / 不飽和地盤 / 動的解析 / 有限要素法 / 土砂災害 / リスク |
Research Abstract |
泉は,従来のガリ形成理論を拡張し,ガリ頭部の分岐メカニズムを説明するモデルを提案した.斜面の端部が流水によって侵食される際,斜面上には等間隔で平行に並んだガリが形成される.このガリの形成間隔スケールは従来のガリ形成理論によって説明されていたが,ガリ頭部を平坦な地面に空けられた開口部で近似的にモデル化してガリ形成理論を適用することによって,ガリ頭部が侵食の擾乱に対して不安定となり,分岐現象が発生することを明らかにした.このような分岐が繰り返されることによって複雑な峡谷地形が形成されることが示唆された. 渦岡は,斜面のような不飽和地盤における3相系(土骨格・間隙水・間隙空気)の動的・大変形挙動を解析的に明らかにすることを目的として,多孔質・有限変形理論に基づいた3相系支配方程式の有限要素解析手法を提案した.土骨格の加速度に対する間隙流体の相対加速度は十分に小さいと仮定し,種々の構成式を用いて土骨格の配置を基準とした支配方程式を誘導した.現配置における弱形式をNewton法で解くため,基準配置における弱形式の線形化を行った後,現配置における線形化された弱形式を誘導した.土骨格に超弾性モデル(圧縮性neo-Hookean)を適用し,作成した解析コードを用いて不飽和地盤の自重・圧密・浸透・動的解析を行い提案手法の検証を行った. 風間は,土砂災害実績を利用して,融雪に起因する土砂災害発生確率モデルおよびリスクモデルを構築し,結果を分布図として示した.実績との比較により,モデルにより導かれた結果は災害実績を有する地域で高い発生確率を示し実績と整合することが明らかとなった.また,多雪年および小雪年,さらに地球温暖化へ対応するケースを考慮して日平均気温が1℃上昇した場合について検討し,時系列的な融雪変化における道路に接する場所での土砂災害のリスク変化を示した.
|
Research Products
(4 results)