2007 Fiscal Year Annual Research Report
高波浪時における波群・長周期波の伝播変形とその予測手法の開発
Project/Area Number |
17360233
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
喜岡 渉 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (10135402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 利一 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (00284307)
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Keywords | 波群 / 不規則波 / 重複波 / 現地観測 / 沿岸波浪 |
Research Abstract |
波形勾配が大きい非砕波の強非線形波が鉛直壁により反射するとき,鉛直壁前面の重複波動場における波の緒元について水理実験により再検討した。波形勾配が比較的緩やかな弱非線形波の重複波については有限振幅波理論でうまく説明できる。しかし,波形勾配がさらに大きくなると,入射波の波列は一様でも鉛直壁前面の重複波動場では非周期性の波列が現れる。また越波を伴うとき,規則波実験であっても非周期の不規則波的な越波現象が生じることもよく知られている。本研究では,入射波の波形勾配を種々に変化させた規則波および2成分合成波を用いた造波水槽実験を行い,鉛直壁前面における波の周期、波長および波形変形について詳しく調べ,強非線形波の反射特性について明らかにした。 入射波と反射波の重なり合う重複波浪場では波長は短くなり,周期はわずかながら増大し,その結果,波速は減少することが明らかとなった。入射波の波形勾配がak>0.24と大きくなると,鉛直壁前面では振幅変調により波高の大きな波が発生することがわかった。波群個々波の角周波数を測定したところ,重複波動場では波群の最大波付近で入射波の角周波数よりわずかながら減少することがわかった。入射波の波形勾配akが最も大きいケースでは,入、反射波の相互干渉により鉛直壁面前面での波高が4.5倍に達する。入射波の非線形性を3次のオーダーまでとった4波干渉理論を用い,実験条件の振幅,周期から決まる波数を与え,規則波および2成分合成波の実験結果の再現を試みた。弱非線形の理論であるのにかかわらず,計算結果は非砕波時の実験結果をよく再現するものになっている。
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Research Products
(6 results)