2005 Fiscal Year Annual Research Report
流域・内湾・外洋系の長期的環境変化からみた内湾環境問題の構造-浜名湖を対象として
Project/Area Number |
17360234
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
青木 伸一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (60159283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 隆信 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00184755)
加藤 茂 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40303911)
山田 俊郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (30335103)
有田 守 大阪大学, 工学部, 助手 (80378257)
古山 彰一 富山商船高等専門学校, 講師 (90321421)
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Keywords | 海洋保全 / 環境分析 / 環境変動 / 内湾環境 |
Research Abstract |
本研究では,浜名湖をとりまく流域圏,内湾域および外洋域のそれぞれに対して,50年程度の長期的なスパンでの環境変化を明らかにすることを目的としている.17年度の主な研究実績は下記の通りである. (流域班) ・柑橘園に代表される農地系流域から湖沼へ流出する窒素・リンを中心とする栄養塩成分の負荷量とその変動に与える要因を調査し,農地内を流れる河川からの水質成分の流出の実態を明らかにした. ・柑橘園における,肥料形態の違いによる時期別の肥料成分の溶出と流亡量への影響,および栽培形態の違いが施肥成分の吸収等に及ぼす影響を明らかにした. (内湾班) ・猪鼻湖における湖水流動と浜名湖との水交換についてそのメカニズムを現地観測により明らかにした. ・猪鼻湖における夏期密度成層形成時の鉛直混合特性について,3次元流動と塩分の連続観測によりその特性を明らかにした. ・夏期の平均場での浜名湖の低次生産について,生態系モデルを用いてシミュレーションを行った. ・浜名湖の流動シミュレーションに適応格子を導入し,浜名湖南部に多数存在する数m規模の導流堤や堤防を考慮したシミュレーションを可能にした. ・浜名湖南部で大きな面積を占める干潟エリアを数値モデルに取り入れることにより,より精度の高い潮汐シミュレーション法を開発した. ・浜名湖におけるアサリ幼生の浮遊・着底特性に関係する湖内浅水域での流れと底面せん断力の特性を,3次元流動観測結果を用いて明らかにした. (外洋班) ・外洋および湖内の潮汐の長期間データを整理し,潮汐の長期変動特性を明らかにした. ・遠州灘での波浪データを解析し,外洋波浪の特性についてとりまとめた.
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