2006 Fiscal Year Annual Research Report
流域・内湾・外洋系の長期的環境変化からみた内湾環境問題の構造-浜名湖を対象として
Project/Area Number |
17360234
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
青木 伸一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (60159283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 隆信 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00184755)
加藤 茂 豊橋技術科学大学, 工学教育国際交流研究センター, 准教授 (40303911)
山田 俊郎 国立保健医療科学院, 水道工学部, 主任研究員 (30335103)
有田 守 大坂大学, 工学部, 助手 (80378257)
古山 彰一 富山商船高等専門学校, 准教授 (90321421)
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Keywords | 海洋保全 / 環境分析 / 環境変動 / 内湾環境 |
Research Abstract |
18年度の主な研究実績は下記の通りである. (流域班) ・春肥や夏肥においてもペレット造粒肥料は配合肥料と硝酸態窒素の肥効は変わらない.降雨等の水の影響が大きいと考えられたが,水分条件が同じ場合には,肥料の種類で溶出速度に違いがみられた. ・リンの流出特性は全リンでは洗い出し型であり,特に懸濁態リンはその傾向が強く,流量増加時には懸濁態としてリン負荷が柑橘園を含む流域から多く発生することを明らかにした. (内湾班) ・猪鼻湖と浜名湖との水交換については,風の影響が支配的であり淡水流入量と交換量の比は3倍程度であった.流れ(表層流出,中底層流入)およびリンの濃度・形態(表層懸濁態,中底層溶存態)ともに2層構造がみられ,湖水交換により浜名湖からリンが溶存態として流入することがわかった. ・ボックスモデルは,風によって短期的な変化は再現できていないが,平均的にはほぼ湖水交換を予測できた.鉛直方向の流量は,瀬戸での交換流量と同程度であり,淡水流入量の数倍に及ぶことがわかった. ・夏期の平均場について,1960,1980および2000の3年代についてシミュレーションを行ったところ,60年代から80年代にかけての物理環境の変化が水質環境に大きな影響を与えていることがわかった. ・浜名湖の流動シミュレーションに適応格子を導入し,水位変動の再現を試みた。干潟モデルの導入により,観測結果とよく一致した結果が得られた. ・浜名湖南部で大きな面積を占める干潟エリアを数値モデルに取り入れることにより,より精度の高い潮汐シミュレーション法を開発した. ・近年、潮流が増大しアサリが減少したと考えられている湖南部においては,やや少ない1千個/m^2の分布が確認されたが,湖南部の底面流速は11月の大潮時で最大60cm程度であり,シールズ数は0.1〜0.6を示した.着底後,稚貝が掘り出され転がり減耗している可能性が考えられた. (外洋班) ・外洋および湖内の潮汐の長期間データを整理し,潮汐の長期変動特性を明らかにした.
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Research Products
(6 results)