2006 Fiscal Year Annual Research Report
中長期的な海水準変動と河川土砂動態を考慮した河口周辺地形変化と生態系の応答
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17360236
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中野 晋 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 助教授 (50198157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 健士 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (10035652)
竹林 洋史 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 助教授 (70325249)
山田 文彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (60264280)
宇野 広司 神戸市立高等専門学校, 都市工学科, 助手 (00435439)
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Keywords | 河床変動 / 河口 / 潮位変動 / 底質 / 底生動物 / HSIモデル / 移動限界粒径 |
Research Abstract |
1)河川地形の長期的変化特性調査 吉野川河口を対象に1966〜2006年の41年間の地形変化を主成分分析法の1つである経験的固有関数法を用いて実施した.吉野川河口では砂利採取が主因であると考えられる1980年までの急激な河床低下と1980年以降の定常的な堆積といった2種の代表的な地形変化パターンに加えて,海水準の変動と逆位相の地形変化のパターンが抽出されたが,その理由については明確でない. 2)河口周辺地形と潮位変動に関する現地観測 物部川河口で潮位,水温の連続観測を実施した.河口閉塞時,出水時には河口の閉塞度により水位応答特性が異なることが明らかとなった.吉野川河口干潟において,大潮,中潮の2潮汐間で底質移動量の調査を行った.同時に波浪,水温,水位計測を実施し,干潟上の物理緒量と底質移動,特に移動限界粒径の関係について考察した.白川河口で約2年間の潮間帯干潟上での水位・流速・濁度の連続観測を実施し,底質輸送フラックスに対する潮汐・波浪の影響を定量的に検討した.潮間帯上の底質輸送フラックスに対する潮汐・波浪の影響を調べるために潮汐位相平均手法を提案した.この調査結果から干潟上の底質輸送フラックスの移動方向には,上げ潮・下げ潮時は潮汐の影響が支配的であるが,満潮時には白川の河川流出の影響を受けることがわかった. 3)河口干潟底生動物の生息調査と生態系モデルの構築 平成3年から実施している河口干潟の生物調査を継続する.シオマネキ属などの底生動物の生息数,粒度分布などを測定し,生物データの蓄積に努めた.また,平常時の波浪などによる擾乱に対応する移動限界粒径を用いることにより,これまでに提案している生息適性指数モデル(HSIモデル)の改善を行った.
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Research Products
(9 results)