2005 Fiscal Year Annual Research Report
実スケール雲物理実験とその成果を基礎とする降雨・大気環境・水循環統合モデルの構築
Project/Area Number |
17360238
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山田 正 中央大学, 理工学部, 教授 (80111665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 廣和 中央大学, 総合政策学部, 教授 (80256023)
藤吉 康志 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40142749)
太田 幸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00100058)
大石 哲 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (30252521)
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Keywords | 雲物理実験 / 大規模気象観測 |
Research Abstract |
1.大規模気象観測 都市大気・熱環境の解明と把握を目的として、河川が周辺の熱環境に及ぼす影響について大規模気象観測を行った。この観測は、河川右岸側の堤外地、堤内地において約2km^2の観測対象地域に温湿度計を平面的に30ヶ所設置するともにポールを5ヶ所に設置し温湿度の鉛直分布を観測した。この観測では、河川上の冷涼な空気が周辺地域に浸入し熱環境を緩和することを検証し、周辺の土地利用状態の違いによる緩和効果の評価を行った。 以下に得られた成果を示す。 (1)高規格堤防を整備した地域について、堤内地側気温と堤外地側気温は同じであった。 (2)高規格堤防を整備した地域、未整備の地域の気温は日中未整備地域で高温となり最高で約2度の気温差であった。 2.実スケール雲物理実験 鉱山内の立坑(全長425m)を用い、雲及び降雨形成に関する微物理過程の解明を目的とした実スケール雲物理実験を行った。この実験は、立坑坑頂に設置した大型ファンにより空気塊を吸い上げ、坑内に上昇流を人工的に発生させ雲を生成させる。坑内の各高度に観測機材を設置し、気象因子の高度変化及び水蒸気から雲粒子への相変化の様子を詳細に計測を行った。 以下に得られた成果を示す。 (1)上昇風速の増大とともに発生する雲水量は線形的に増加する。 (2)立坑内に供給されたエアロゾル量の増加に対して発生する雲水量も増加していく。ある供給されたエアロゾル量の閾値以上では雲水発生量は一定となる。この閾値は上昇風速には関係せず、どの条件下において一定値である。 (3)雲底下、雲底付近、雲内の粒子数濃度の計測を行ないそれぞれの場所において特徴的な粒子数濃度の高度変化を観測した。 今回及び過去15回行われた実験成果は、地球シミュレータにより行われている地球環境シミュレーションモデルの雲物理過程に導入され、地球シミュレータセンターと共同研究・開発をしていく予定である。
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Research Products
(5 results)