2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機フッ素化合物の都市水循環環境中での汚染動態調査とその対策に関する研究
Project/Area Number |
17360257
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 滋穂 Kyoto University, 地球環境学堂, 教授 (10135535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏明 京都大学, 工学研究科, 教授 (70344017)
清水 芳久 京都大学, 工学研究科, 教授 (20226260)
田中 周平 京都大学, 工学研究科, 助教 (00378811)
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Keywords | 水質汚濁 / フッ素有機化合物 / 水道 / 下水道 / 難分解性有機物 / PFOS / PFOA / 水循環 |
Research Abstract |
本研究は、都市水環境中でのフッ素系POPsのPFOS・PFOAの挙動と対策を検討するものであり、最終年度の今年度は、下記の成果を得た。 (1) 分析法開発:PFOS・PFOAに加え、他のペルフルオロ化合物(PFCs)の測定も検討するとともに、浮遊性成分の抽出法、固相抽出の条件等を検討した。 (2) 国内外での水環境中PFCs分布特性調査:国内19都道府県、海外10ケ国で、環境水、水道水、下水処理水の分析を行い、(1)各地域でのPFCsレベルを把握、(2)PFCsはほとんど人為由来で下水処理場がその主負荷、(3)これらは流下過程でほぼ変化しない、を得た。 (3) 浄水処理場諸過程での挙動調査:広域調査での環境水と水道水との関係より、浄水場ではPFCsはほとんど除去されず、オゾン・活性炭の高度処理浄水処理場でも活性炭処理で若干の減少以外、大きな除去効果がないことが見いだした。 (4) 下水処理場諸過程での挙動調査:国内14処理場、海外4ケ国10処理場で調査し、(1)ほとんどのPFCsはほぼ除去されない、(2)流入・流出濃度は処理場ごとに大きく異なる、(3)PFCsは活性汚泥中に多量に蓄積し、場内に保持されている、などの成果を得た。 (5) 新しい処理法による除去特性把握:現在浄水場・下水処理場での通常の処理方法ではほとんど処理できないが、活性炭では短期間では吸着除去は可能であること、UVも長時間かければPFOAは除去可能であること、などを見いだした。 (6) PFCsに伴うリスク形成過程の把握とその対策:以上の研究知見より、PFCsは、各家庭や工場から排出されたPFCsが主要負荷源で、それらは下水処理場、環境中、浄水場ともほぼ除去はされない。現時点で実用的な下水処理や浄水処理方法はなく、発生源対策の強化が重要であるとまとめられる。
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Research Products
(13 results)