2006 Fiscal Year Annual Research Report
4次元変分法を用いた物質輸送モデルと観測の最適統合化に関する研究
Project/Area Number |
17360259
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鵜野 伊津志 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70142099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 伸夫 国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 室長 (90132852)
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Keywords | 物質輸送 / データ同化 / 黄砂 / ライダー |
Research Abstract |
対流圏物質輸送モデル(CTM)は、様々な物理・化学過程を適切に取り込んで複雑になるとともに、その再現性が著しく向上してきた。最近注目を集めている4次元変分法(アドジョイント法;以下4DVAR)は、空間的・時間的変動を有する観測データという物理・化学法則にもとづく世界を、我々が持っている利用可能な最大限の知識を用いて、出来るだけ高精度で定量的・完全に記述するポテンシャルを有し、観測とCTMを統合化する手法である。本研究では、4DVARをCTMに活用し、1)4DVARによりモデルと観測データの最適な統合化を図ること、2)地上観測データ、ミー散乱ライダー観測データ、衛星観測データなどの時間空間分解能の異なるデータを同一のモデルを用いて4DVARのフレームワークの確立、3)自然起源の発生源である黄砂(ダスト)や焼き畑起源の大気成分の起源の推定等、を行うことを目的とする。 平成18年度は、昨年度に構築した領域気象モデルRAMSのCTM部分とリンクして、完全に並列計算モードで実行可能な4DVARシステムを利用して、2001年4月のACE-Asia特別観測期間のCO観測結果をもとに、4DVAR手法を応用し、東アジア域のCO排出強度の最適化を行い、これらの成果は、国際学術雑誌Atmospheric Environmentに2006年11月に掲載された。COに引き続いて2005年4月に仙台から北日本で観測された黄砂エピソードを対象にしたダスト発生量を最適化することを目指した4DVAR-dustモデルを構築し、国立環境研のライダー観測結果を同化すること上空4-6kmのダスト層の再現と発生源強度の最適化が可能であることを示し、その成果は現在Geophysical Research Letterに投稿・審査中である。
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Research Products
(2 results)