2007 Fiscal Year Annual Research Report
アジア太平洋地域を対象とした有毒藍藻発生抑制・低減化システムの開発
Project/Area Number |
17360260
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
岩見 徳雄 Meisei University, 理工学部, 助教授 (00353532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板山 朋聡 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 研究員 (80353530)
稲盛 悠平 国立大学法人福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (10142093)
尾崎 保夫 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (10029308)
桑原 史享 秋田県立大学, 生物資源科学部, 研究員 (30452999)
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Keywords | アオコ / 有毒藍藻 / 捕食分解 / バイオリアクター / 水生植物 / 抑制 / 低減化 / アジア太平洋地域 |
Research Abstract |
有毒藍藻の発生抑制・低減化システムとして,微生物付着担体を充填したバイオリアクターと水生植物を植栽した水路とを組み合わせたハイブリッドリアクターの開発とその適正導入に係わる実証研究をタイ王国実験サイトの池沼で行った。バイオリアクターには現地で未利用である廃プラスチックから製作可能な繊維状プラスチック担体を充填し,水路には食用として利用できるパックブンを植栽した。実証試験の結果,バイオリアクターからの流出水中の有毒藍藻Microcystis属は95%以上が安定して除去されることがわかった。バイオリアクター内の担体には,実証試験中の池水中では検出されなかった付着性の微小動物群が高密度で存在し,ルticrocystisを捕食する状況が確認できた。Microcystisの捕食後には,その細胞内のmicrocystinが水中へ放出されるが,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析した結果,バイオリアクターの流出水中からは検出されなかった。これより,微小動物や共存細菌によるmicrocystin分解の可能性が示唆された。水生植物の植栽水路には,バイオリアクターの流出水が流入するが,microcystinが完全に除去されたので,パックブンを食用とした場合の安全性は向上した。この植栽水路の流出水中の窒素濃度を定期的に分析した結果,硝酸態窒素として流入水の約40%,アンモニア態窒素として約30%が除去できることがわかった。水路のパックブンは概ね2週間に1回の頻度で間引き収穫できた。収穫したパックブンを系外に持ち出すことで,池沼の栄養塩類の適正管理が可能となった。本ハイブリッドリアクターの主要部はタイ王国にある材料で製作できることを現地調査により確認した。
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Research Products
(4 results)