2005 Fiscal Year Annual Research Report
強震時の地盤と構造物の動的相互作用を活用した上屋応答と杭基礎応力の低減
Project/Area Number |
17360265
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
時松 孝次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50134846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 修次 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40313837)
木村 祥裕 長崎大学, 工学部, 助教授 (60280997)
鈴木 比呂子 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (60401527)
内田 明彦 竹中工務店, 技術研究所, 主任研究員 (10416646)
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Keywords | 杭基礎 / 土圧 / 座屈 / 液状化 / 振動台実験 / 有限要素解析 / 地盤変位 / 地盤-構造物系動的相互作用 |
Research Abstract |
本研究では、地盤と構造物との非線形動的相互作用の理解を深め、その効果を積極的に利用して、上屋応答と基礎応力の低減を図る基礎構造の可能性を検討することを目的とし、平成17年度は、地盤-杭-基礎系模型の遠心載荷実験、既往の大型振動台実験により、基礎根入れ部に働く地震時土圧と水平地盤反力の把握およびそれらが杭応力に与える影響の把握、強制地盤変位を受ける鋼管杭の局部座屈と全体座屈の連成挙動についての解析的検討を行った。得られた結論は以下の通りである。 非液状化地盤や液状化前の地盤では,基礎根入れ部および杭に作用する土圧は主に構造物慣性力に対して抵抗側に作用する。その結果,構造物慣性力は表層付近で低減され,せん断力,曲げモーメントはいずれも杭頭で最大値をとり深さとともに小さくなる。また,杭に作用する変動軸力は基礎下端付近を中心軸とした転倒モーメントに支配される。一方,地盤が液状化すると,構造物慣性力に加えて,地盤変形の影響が顕著となり,同時に杭の水平地盤反力係数は低下する。その結果,杭のせん断力は低減されることなくまたは増加して液状化層下端まで伝わり,曲げモーメントは杭頭に加え液状化層下端でも大きくなる。さらに,水平力の釣り合いが液状化層下の地盤までを含むことから,杭の変動軸力が液状化層下端付近を中心軸としたモーメントの釣り合いにより決まる。 鋼管杭の曲げ座屈挙動については、上部構造が低層の場合,地震時の杭の軸力変動は小さいものの,杭頭の水平移動が拘束されない。さらに,地盤による水平拘束効果が消失すると,杭の座屈荷重の大幅な低減を招くと考えられる。そこで,エネルギー法を用いた変分原理により座屈荷重式の誘導を行い,杭細長比,地盤反力係数分布,杭頭支持条件の違いが座屈荷重に及ぼす影響を把握し,有限要素解析により弾塑性非線形挙動を明らかにした。
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Research Products
(6 results)