2005 Fiscal Year Annual Research Report
生物科学的機能を有する新機能コンクリートに関する基礎的検討
Project/Area Number |
17360273
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
橘高 義典 首都大学東京, 都市環境学部, 教授 (20177877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 雅紀 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (80315754)
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Keywords | 恒温機能 / ヒートアイランド現象 / 植物共生機能 / 耐久性 / プレストレスコンクリート / 壁面緑化 / 鉄筋腐食 / 補修 |
Research Abstract |
本研究では、従来のペーストマトリック+骨材に加え、新たな有機的な機能を持つ次世代に向けた高機能コンクリートについて実験研究する。本年度は、従来の強度、剛性、耐ひび割れ抵抗性等の力学性能に加えて、恒温機能(ヒートアイランド現象低減効果等)、植物共生機能(植栽基盤材料)、耐久性向上効果などを持つコンクリートについて検討した。 まず、中空プレストレスコンクリート板を用いて、壁面に植栽が可能で、構造体としても利用可能な緑化パネルの開発を行った。緑化パネルのコンクリート構成材料の検討では、緑化パネルへ応用するコンクリート系材料の基礎物性を試験し、コンクリートをポーラスな構成とすることで高い透水性・吸水性・保水性を有することを確認した。次に、緑化パネルの構成方法を検討するために、緑化パネルの部分試料による植栽実験を行い、最適と考えられる溝幅・奥行き、土壌表面のみを部分硬化するという土壌流出防止法を明らかにした。これら2実験により、最適な緑化パネル構成を明らかにし、それに基づいて実大緑化パネルを作製し、植栽実験を行い、通年での植生効果があること、夏場での温度低減効果があること、美観上も有効であることなどを明らかにした。 つぎに、劣化外力が終局的に作用する鉄筋の腐食とコンクリートかぶり部に着目し、劣化と材料特性の関係、補修の効果などを実験検討した。まず、非破壊試験と力学特性試験により、コンクリート中の鉄筋腐食促進劣化を行った場合に、コンクリート種類によってどのような変化を生じるのか考察を行った結果、繊維の混入、コンクリートの高強度化によって、非破壊試験で得られる腐食進行速度は遅くなることが明らかになった。また、腐食の進行途中に断面修復工法、ひび割れ注入工法の2種類の補修を行った場合の強度回復性、補修後に再度腐食が進行した場合の劣化抵抗性などについて先と同様の試験方法で考察を行った結果、腐食が初期段階での補修では、腐食進行の抵抗性が向上する傾向があり、腐食進行が進展した段階での補修では強度の回復性が向上する傾向が明らかとなった。
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Research Products
(6 results)