2007 Fiscal Year Annual Research Report
浮屋根との連成を考慮した大型液体貯槽の地震時スロッシング応答とその抑止策
Project/Area Number |
17360278
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
松井 徹哉 Meijo University, 理工学部, 教授 (70023083)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 厚 名城大学, 理工学部, 教授 (90278325)
|
Keywords | 液体貯槽 / 浮屋根 / スロッシング / 長周期地震動 / 流体-構造物動的相互作用 / ポテンシャル理論 / シングルデッキ / ダブルデッキ |
Research Abstract |
前年度までに導出した線形ポテンシャル理論に基づく円筒液体貯槽浮屋根の地震時スロッシング応答の解析解の検証を目的として,縮小模型による振動台実験を実施した。実験に用いた模型は,内径780mm,深さ800mmのアクリル製円筒貯槽内に水深400mmの高さまで注水し,その水面にアクリル製(一部塩化ビニル製)の浮屋根を浮かべたものである。外周ポンツーンのみ(自由液面を模擬),均一板(ダブルデッキ型浮屋根を模擬),および内部デッキと外周ポンツーンから成るシングルデッキ型浮屋根の3種類の浮屋根模型について,自由振動実験および地震波加振実験を行った。浮屋根面上に配した各計測点の3次元的な動きをハイスピードカメラで連続撮影し,モーション・キャプチャー処理を行ってデジタル化することによって,同期の取れた時刻歴変位応答波形を取得した。実験結果と解析解の比較から得られた結論は以下のように要約される。1)自由振動実験により得られた1次固有周期および固有振動モードは解析解と良く一致し,解析解の妥当性が検証された。2)自由振動実験により推定された減衰定数は,自由液面が0.2%で最も低く,以下シングルデッキ型浮屋根0.3%,ダブルデッキ型浮屋根1.1%となり,一般に設計で用いられている減衰定数に近い値となった。3)地震応答実験により得られたダブルデッキ型浮屋根の変位応答は解析解と良く一致し,解析解の妥当性が検証された。4)地震応答実験により得られたシングルデッキ型浮屋根の変位応答は解析解と概ね一致するが,円周方向フーリエ展開次数1の線形応答に加え,線形理論では応答が0となるべき中心点付近で,1次固有振動数の2倍の振動数で振動する円周方向フーリエ展開次数0および2の非線形倍調波共振モードの発生が確認され,シングルデッキ型浮屋根においては液体の非線形性を考慮することの必要性が指摘された。
|
Research Products
(6 results)