2008 Fiscal Year Annual Research Report
逆都市化時代の都市構造と都市圏計画の課題に関する実証的研究
Project/Area Number |
17360295
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 隆 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (80143824)
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Keywords | 都市計画・建築計画 / 国土整備 / 都市整備 / 逆都市化 / 政策形成 |
Research Abstract |
1.前年度までに行った都市圏類型化分析をもとに、土地利用、都市施設整備、人口構造などの変化とその社会経済的要因、および具体的な都市圏政策について実証的に明らかにするため、事例として、複数の都市圏を研究対象として選定した。具体的には、三遠南信地域、千葉県成田地域等を取り上げ、現地調査等を行った。三遠南信地域では、県境を越えた三遠南信ビジョンを策定して都市圏として一体的な地域発展を図っていること、また各自治体においても、中心市街地活性化(飯田市)、中山間地域活性化(浜松市)や定住促進(下條村、豊岡村)、地球温暖化対策(飯田市)などの取り組みが行われていることがわかった。千葉県成田地域では、東京圏に位置しているが将来的に高齢化・人口減少が予測されており、関係自治体の協力を得て、都市圏構造計画の立案とその有効性に関して検討を行った。そのほか、コンパクトシティの事例として青森市や富山市の土地利用・都市整備政策をレビューした。 2.都市圏構造分析の類型化や(1)の事例研究を通じて、類似した逆都市化傾向にある自治体間で、状況認識や政策形成、政策効果が異なっていることがわかった。その要因を明らかにするために、政策形成におけるアプローチに着目し、専門分野間の見解の違いが政策にどのような影響を与えうるか、政治学・政策科学、科学技術社会論、行政学、構築主義等の考え方を都市政策に適用する方法論を提案した。 3.最終年度として4年間の研究成果を総括し、大都市では人口の都心部への還流、地方都市では人口減少と都市圏内での拡散という全く対照的な動きが顕在化してきていること、市町村を超えた結びつきの強い広域都市圏で有効性の高い地域計画を作成しようとする動きがあることなどの知見をまとめた。
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Research Products
(11 results)