2005 Fiscal Year Annual Research Report
五感を刺激する商業地デザインと来街者のアクティビティ
Project/Area Number |
17360299
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有馬 隆文 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (00232067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 敦 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (70222148)
坂井 猛 九州大学, 新キャンパス計画推進室, 助教授 (30253496)
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Keywords | 商業地 / アクティビティ / アイマークレコーダー / 賑わい |
Research Abstract |
平成17年度は本研究の初年度であるため、最初に商業地街路の分類を行った。まず福岡県内の代表的な商業地街路を選定し、それらをスケール・断面構成・用途の観点から定性的に7つに分類した。次に各タイプから1箇所づつ調査対象地を選定し、各通りにおける店舗デザイン・行動誘発要素・歩行者のアクティビティについて調査を行った。また、日本と欧州では道路や広場といった公的空間の利用に違いが見られるため、欧州の商業地においても同様の調査を実施した。調査結果を集計するとともに店舗デザインとアクティビティの相互関係をクルジンスキーの類似性測度から明らかにし、商業地の基本的特性について考察した。結果は次のとおりである。 (1)商業地街路における車道の有無は、店舗ファサードの開放性や行動誘発要素の設置に大きく影響しており、街路の空間特性を特徴づける大きなファクターである。 (2)店舗内部が開放的であるほど、街路上の多様な行動誘発要素やアクティビティを生み出している。店舗と街路の一体的な空間構成が活気に寄与している。 (3)歩行者天国型の商業地では最も多彩なアクティビティが見られ、市場型やアーケード型ではアクティビティが単調であった。 また上記に併せて、商業地における人間の知覚・認知・評価の関連を明らかにするために、アイマークレコーダーおよびエレメント想起法をもちいた予備実験を行い、その分析結果を日本建築学会第28回情報・システム・利用・技術シンポジウム論文集に報告した。その結果は次のとおりである。 (1)歩行者の視覚体験の多くは店舗と人であり、道路などは大きな要素となりえない。また、歩行者への刺激要素や非日常的な要素には誘目性があり、また、記憶にも残りやすい。 (2)街路に対する評価はオープンカフェなどの溢れ出しやアメニティ要素と関係が深く、また流動的な要素、特に歩行者の密度にも大きな影響を受けていることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)