2006 Fiscal Year Annual Research Report
五感を刺激する商業地デザインと来街者のアクティビティ
Project/Area Number |
17360299
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有馬 隆文 九州大学, 人間環境学研究科, 助教授 (00232067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 敦 九州大学, 大学院人間環境学研究院, 教授 (70222148)
坂井 猛 九州大学, 新キャンパス計画推進室, 助教授 (30253496)
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Keywords | 商業地 / アクティビティ / バーチャルリアリティ / 賑わい / 想起エレメント法 |
Research Abstract |
平成18年度は、商業地における行動誘発要素と人間の行動に着目し、以下の研究を実施した。 1)行動誘発要素の特徴分析 前年度の研究によって得られた行動誘発要素の特徴を、本研究では誘目性の観点から明らかとした。具体的には性格が異なる3つの商業地街路において写真を撮影し、それらを被験者に提示して誘目要素2277件を抽出し、これらの特徴を色彩的、形態的観点から分析した。結果は次のとおりである。 (1)買回り品中心の商業地と日用品中心の商業地ではその指摘要素が異なり、特に建築物や商品の指摘数には大きな違いが見られた。また、全ての商業地において歩行者に対する指摘が多く、動的要素は商業地の視覚体験の主要な要素であることを明らかとした。 (2)指摘要素の特徴として、看板と商品・ディスプレイの色彩の明度・彩度は誘目性と大きく関係しているが、建築物、道路付属物、動的要素などの色彩は誘目性と関連が薄い。また、指摘要素の形態的特徴として3つのタイプ(アイストップ型、視界占有型、集積型)があることを明らかとした。 2)ヴァーチャル・リアリティ(以下VR)を用いた擬似歩行知覚実験 VRの仮想空間において擬似歩行知覚実験を行い、環境要素と知覚の関係をエレメント想起法により明らかにした。結果は次の通りである。 (1)街路の幅員や交差点の形態的特徴は、来街者の空間理解に大きく寄与する。特に角地のデザインや形態の重要性を定量的に証明できた。一方、オープンスペースなどのボイド空間では、そこでの空間利用の違いが来街者の空間理解の違いとして現れた。 (2)看板やショーウインドなどの商業的要素は来街者の記憶されるものの、その位置に関する記憶は曖昧な傾向にあり、要素の存在の理解と空間的情報の理解とは同一ではないことを実証的に明らかとした。 3)前年度の研究成果を日本建築学会において発表した。
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Research Products
(2 results)