Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 達生 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10222259)
和田 修己 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10210973)
中西 真 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (10284085)
草野 佳弘 倉敷芸術科学大学, 芸術学部, 助教授 (40279039)
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Research Abstract |
六方晶フェライトの中でも,2価金属としてMgを含むY型フェライト(Mg_2Y)は,高い透磁率を示すことが報告されている.そこで本研究では,Zn_2Y型フェライトのZnをMgで置換したY型フェライト固溶体を作製し,1GHz付近で高い透磁率を示す組成を特定し,置換量による電磁波吸収特性の変化を調べることを目的とした. 固溶体試料の作製は,固相法を用いた.固溶体組成Ba_2Zn_<2-x>Mg_xFe_<12>O_<22>においてx=0,0.5,1.0,1.5,2.0となるようにFe_2O_3,BaCO_3,ZnO, MgO粉末を原料として,秤量し混合を行った.加圧成型後,焼成は1100-1200℃において大気中で3時間の条件で3回行った.評価としては,Cu-Kα線を用いた粉末X線回折測定(Rigaku RINT2500),ネットワークアナライザ(Agilent Technology HP8720D)を用いたSパラメータ法による複素比透磁率および誘電率の測定を行った. X線回折測定の結果,どの組成においても若干スピネル相およびBaFe_2O_4のピークが認められるが,Y型フェライトが主相で得られている.焼成温度を変えても生成相に変化は認められなかった.x=0〜2.0の各組成の試料について,複素比透磁率および誘電率で比較したところ,両端組成よりも固溶体の方が1-2GHzの領域で透磁率が高いことが明らかとなった.また,誘電率もx=1.0のものが若干高い値を示した.これらのデータを用いて種々の厚さの吸収体の反射損失量を計算によって求めたところ,透磁率および誘電率の向上を反映してx=1.0の試料が,最も薄い吸収体厚さ(4.9mm)で最も低い整合周波数を示すことが明らかとなった.
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