2006 Fiscal Year Annual Research Report
ドメイン構造を制御した粒子配向型非鉛圧電セラミックスの研究開発
Project/Area Number |
17360327
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF SCIENCE |
Principal Investigator |
竹中 正 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70096709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 肇 東京理科大学, 理工学部, 助手 (70339117)
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Keywords | 非鉛圧電セラミックス / 非鉛強誘電体 / ビスマス層状構造強誘電体 / BLSF / 電気機械結合係数k / 機械的品質係数Qm / 共振周波数温度特性 / TCF |
Research Abstract |
非鉛系圧電デバイスを実用化するために継続的な研究開発を行っている。非鉛圧電材料の優れた候補であるビスマス系ペロブスカイト型強誘電体およびビスマス層状構造強誘電体(BLSF)を精力的に研究しているが、その圧電性を有効に利用するには、単結晶のもっている異方性をなるべく損なうことなしに、単結晶の性質を極限まで引き出せるようなセラミックス粒子配向技術が要求される。本研究では、それら非鉛系強誘電体セラミックスのドメイン構造を制御した粒子配向型セラミックスを得て、圧電アクチュエータやレゾネータへ応用し、非鉛圧電デバイス実用化の端緒を開いた。 1.ペロブスカイト型0.9(Bi_<1/2>K_<1/2>)TiO_3-0.1BaTiO_3(以下、BKT-BT10)の粒子配向セラミックスを、典型的なBLSFであるBi_4Ti_3O_<12>板状粉末をテンプレートとして用いたRTGG法により作製し、その電気的諸特性を詳細に調査した。さらに、それらの素材を用いて圧電アクチュエータを試作して、そのアクチュエータ性能評価を行った。BKT-BT10粒子配向セラミックスは、圧電性が消失する脱分極温度T_dが250℃以上と高く、その電界誘起歪みSは、無配向試料に比べて約1.5倍大きく、ダイナミック圧電歪み定数d_<33>は168pC/Nとなり、実用化にかなり近い値を得た。 2.粒子配向によるドメイン構造制御したSrBi_2Nb_<2-x>V_xO_9(SBNV-x)セラミックスを作製し、様々な振動モードの圧電温度特性を評価し、結晶軸方位に対するTC-fの変化について詳細に検討した結果、BLSF特有の結晶構造異方性により、結晶軸a-b軸方向に対してTC-fは大きく改善することを明らかにした。具体的には、粒子配向したSrBi_2Nb_<1.95>V_<0.05>O_9(SBNV-0.05)の(33)モードでQ_e=66、Q_m=2200および|TC-f|=16.5ppm/℃、(15)モードで(Q_e=21.6、(Q_m=4600および|TC-f|=27.7ppm/℃を示し、SBN系配向セラミックスがレゾネータ用無鉛圧電材料として実用化できることを示した。
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Research Products
(13 results)