2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造を制御したバルクコンポジット磁性材料の作製
Project/Area Number |
17360332
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
廣田 健 同志社大学, 工学部, 教授 (30238414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 将樹 同志社大学, 工学部, 助教授 (90271006)
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Keywords | 複合材料・物性 / 電子・電気材料 / 磁性 / ナノ材料 / セラミックス |
Research Abstract |
高い飽和磁束密度(B_s)と優れた交流磁気特性を同時に併せ持つ軟磁性材料として,高B_sの金属磁性粒子を高電気抵抗率(ρ)を有する軟磁性フェライトにより絶縁した構造を持つ複合磁性材料を開発するため、今年度は、軟磁性フェライト酸化皮膜の作製方法について検討した。酸化皮膜として、数10以上の(比)透磁率を有し、且つ、ρが高いMgFe_2O_4フェライト薄膜の形成を試みた。 第一段階として、磁性金属として、熱処理時に非磁性酸化物であるAl_2O_3やSiO_2が生成せず、且つ高い磁気特性を有する58Fe-42Ni(mass%)合金を選び、この金属粒子表面にフェライトを形成させる最適な熱処理条件を検討した。将来の高周波領域での使用を勘案してFe-Ni合金として、平均直径6.5μmの水アトマイズ粉体を用い、種々の温度、雰囲気下で熱処理した結果、粉体を熱処理時に回転させながら600℃-15h、0.1%〜0.5%O_2(残りN_2ガス)の条件下(雰囲気ロータリーキルンを採用)で処理することにより、Fe-Ni合金粒子の表面に、γ-Fe_2O_3、Fe_3O_4もしくはNiFe_2O_4の薄膜を形成させることが可能であることが明らかとなった。尚、精密な制御をせずに熱処理すると金属の酸化物として(エリンガム図から予想されるように)酸化雰囲気下では非磁性のα-Fe_2O_3が、還元性の雰囲気下では同じく非磁性のFeOが容易に析出する。また、今回科研費にて購入したX線回折装置による分析では、同一結晶構造であり、且つ格子定数が近いγ-Fe_2O_3、Fe_3O_4とNiFe_2O_4の識別は困難であった。今後、このフェライト薄膜を形成した金属粒子に、セラミックス中、低温で塑性変形可能な数少ない物質である面心立方構造のMgOの微粒子を分散させ、焼結と同時にMgFe_2O_4フェライト薄膜を形成させる予定である。
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Research Products
(3 results)