2005 Fiscal Year Annual Research Report
低温生成用高効率磁気冷凍のためのメタ磁性型巨大磁気熱量材料の開発
Project/Area Number |
17360333
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤田 麻哉 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10323073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深道 和明 東北大学, 多元物質科学研究所, 名誉教授 (00005969)
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Keywords | 磁気冷凍 / 磁気熱量効果 / 遍歴電子メタ磁性転移 / 磁気体積効果 |
Research Abstract |
La(Fe_xSi_<1-x>)_<13>化合物は200K付近において遍歴電子メタ磁性転移による巨大磁気熱量効果を発現する。数10〜100K近傍の中低温域で動作する磁気冷凍作業物質を得るため、本化合物を機軸として元素置換による磁気熱量効果および出現温度範囲の制御を中心に研究を行った。また併せて、電子状態等の実験的解明を行い、得られた結果を元に、物性制御の方針を検討した。 Laサイトを原子半径の小さいCeで部分置換することにより、メタ磁性転移を保持したままキュリー温度Tcを170K程度まで低下できることが明らかになった。磁気熱量効果はTc直上で大きな値を示すので、本置換は中低温域への動作温度拡大に有効である。さらに、Tc低下後はメタ磁性転移がより明瞭になり、磁気熱量効果が増大することも判明した。 Ce部分置換した試料において、さらにFeサイトをMnで部分置換し、La_<1-z>Ce_z(Fe_<x-y>Mn_ySi_<1-x>)_<13>化合物を作製した。Mn部分置換を併せて行うことにより、Tcを100K以下に低下制御できることが明らかになった。 Ce部分置換による磁気状態への影響を調べるため、置換前の試料における圧力効果測定を行った。静水圧印加によりTcを180K付近に低下させた状態で磁化測定を行い、Ce部分置換によりTcを同程度に制御した場合と比較したところ、Ce部分置換系でより大きな磁気熱量効果を示すことが明らかになった。すなわち、原子半径の小さいCeの部分置換より、格子が減少し磁気体積効果を通じてTcが低下するが、さらに、Ce5d,4f電子とFe3d電子の軌道混成により、磁気熱量効果が増大されることがわかった。
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Research Products
(2 results)