2005 Fiscal Year Annual Research Report
高密度欠陥の導入による生体用超弾性チタン合金の組織変化と超弾性異方性の制御
Project/Area Number |
17360334
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
細田 秀樹 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (10251620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若島 健司 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (70016799)
稲邑 朋也 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (60361771)
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Keywords | 金属物性 / 結晶工学 / 格子欠陥 / 形状記憶合金 / チタン合金 |
Research Abstract |
本研究では、申請者らが見出した新生体用超弾性チタン合金に高エネルギー・高密度の欠陥を導入し、加工熱処理を行い、組織と欠陥の状態の変化、及びこれらと相変態・超弾性・機械的性質との関係を明らかにすることを目的としている。本年度は、特に冷間圧延加工による集合組織形成過程を明らかにし、又、集合組織と超弾性特性との関係の解明に力を入れた。集合組織については、マクロ的に集合組織を解析するた為にX線極点図、及びミクロ的にはSEM-EBSPにより解析を行った。合金としては変態温度が比較的低く、加工後も安定した超弾性を示すTi-26Nb-3Alを選んだ。その結果、加工集合組織形成は、真歪み量で3程度の時に急速に進行することがわかった。又、元の結晶粒はβTiによく見られる500μm-1mm程度の粗大な結晶粒であったが、加工と共に加工方向に伸長し、微細化して行く様相が確認できた。微細化は、加工による転位組織形成と関係があると考えている。更に、加工率を変えた材料に熱処理を行い、再結晶挙動に及ぼす加工率の影響を調べた。その結果、再結晶挙動も加工率と関係し、加工率により異なるタイプの集合組織が発達することがわかった。但し、加工率が真歪みで3より高い場合は、従来報告されている集合組織と同じであった。又、再結晶後の結晶粒径は、真歪みと大きく関係し、真歪みが大きいほど直線的に減少することが明らかとなった。超弾性特性については、集合組織から予想される超弾性挙動と実際の超弾性変形挙動に良い相関があり、本合金の超弾性挙動が加工率を変えることで制御可能であることも明らかにした。
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Research Products
(9 results)