2005 Fiscal Year Annual Research Report
炭化ケイ素単結晶基板における欠陥形成機構の解明と欠陥密度低減方法の開発
Project/Area Number |
17360338
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
黒田 光太郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30161798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 勝寛 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00211938)
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Keywords | セラミックス / 機能材料 / 半導体 / エピタキシャル / 電子顕微鏡 / 断面観察 / 積層欠陥 / 双晶 |
Research Abstract |
SiC単結晶は、シリコン単結晶よりも耐電圧、動作速度と耐熱性に優れていることから、パワーデバイスや耐環境デバイス用材料として注目されている。この単結晶基板では結晶欠陥の形成機構の解明とその低減が大きな課題である。本研究では、主として立方晶SiC基板の微細構造の詳細なキャラクタリゼーションを行って、欠陥の形成機構を明らかにし、さらに欠陥密度を低減させる方法を開発する。 微細構造と特性の相関に関しての研究には、透過電子顕微鏡(TEM)による断面観察を駆使して、単結晶成長条件の違いによる結晶構造、微細組織、欠陥構造の変化を高分解能分析電子顕微鏡法によって詳細に調べた。成長条件を変化させて作製したSiC基板の微細構造を断面TEMで観察し、結晶欠陥の同定を行い、欠陥の形成機構を解明のための知見を得た。 SiC膜成長初期の結晶欠陥についての知見を得るため、Si/SiC界面近傍の微細構造解析を断面TEM観察によって行い、積層欠陥、微細双晶、インバージョンドメイン、転位などの欠陥が形成されていること見出した。積層欠陥密度はSiC膜の成長とともに減少していることが分かった。これにはSi基盤につけた<110>アンジュレーションが影響していると考えられる。微細双晶は界面から2μmの厚み内にのみ存在していた。 SiC基板/SiCエピ層界面およびデバイスとして利用する際に問題となる最表面層の微細構造解析を行った。SiCエピ層内にもかなりの量の積層欠陥が観察された。
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