2006 Fiscal Year Annual Research Report
ECCI法を利用した疲労き裂先端近傍の広域転位構造観察
Project/Area Number |
17360344
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
橋本 敏 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (50127122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼子 佳久 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 講師 (40283098)
ビノグラドフ アレクセイ 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10283102)
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Keywords | ECCI法 / 疲労 / き裂伝ぱ / 転位 / 固執すべり帯 / 銅 / フェライト系ステンレス / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
銅およびフェライト系ステンレス鋼を用いて疲労き裂伝ぱ試験を行い,き裂先端近傍に形成された転位組織をElectorn Channelling Contrast Imaging(ECCI)法を用いて観察した.ECCI法とは電子線照射にともなう後方散乱電子放出の結晶方位依存性を利用した技術で,走査型電子顕微鏡を用いて表面近傍に存在する転位を非破壊的に観察することができる.透過型電子顕微鏡では観察可能な領域が電子線が透過できるわずかな面積に限られるが,ECCI法ではSEMを用いるので広範囲に転位構造を調査することができる. 銅単結晶を用いた研究では,き裂周辺に形成される転位組織は応力軸方位に依存して大きく変化することが明らかになった.[001]応力軸方位では,き裂周辺にはき裂面からの角度に依存してはしご状PSB転位組織やラビリンス構造が形成されていることが確認できた.これらの構造の分布は線形破壊力学にもとづく応力分布から理解することができた.一方,単一すべり方位ではセル構造やPSB組織の形成が観察されたが,その分布は応力分布とは一致しなかった. EBSD法とECCI法を組み合わせてフェライト系ステンレス鋼多結晶でのき裂伝ぱ挙動を調査した.単一すべりの方位の結晶粒ではき裂周辺にセル組織があまり形成されず,き裂進展は速かった.一方,多重すべり方位ではき裂周辺には多くのセル組織が形成され,き裂伝ぱ速度も遅いことが判明した.ECCI法を利用することで,き裂進展速度と周辺転位組織との関係を明らかにすることができた.また,粒界を通過した直後に一時的なき裂伝ぱ速度の低下が見られたが,その原因は粒界によってき裂前方の転位組織の発達が阻害されているためであることがECCI観察によって示唆された.
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Research Products
(4 results)