2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360345
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
西村 聡之 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主幹研究員 (50354428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 英彦 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, グループリーダー (40343868)
広崎 尚登 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, グループリーダー (80343838)
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Keywords | 構造・機能材料 / セラミックス / ナノ材料 |
Research Abstract |
1.窒化ケイ素ナノ焼結体の粒成長 平成17年度に作製した窒化ケイ素ナノ微粉を放電プラズマ焼結法により高密度化した焼結体の窒化ケイ素の粒子の大きさを、破断面で観察し、焼結温度との関係を検討した。通常、窒化ケイ素焼結体の窒化ケイ素粒子を観察する場合、研磨面をプラズマエッチングし、窒化ケイ素粒子を薄く取り除き、粒界相を残すことによって窒化ケイ素の粒子の形状・大きさを走査型電子顕微鏡により明瞭に観察することができる。しかしながら、ナノ焼結体のように粒子径が細かい場合には、この方法では明瞭な観察が行えなかったため、破断面を観察した。焼結温度1600℃で緻密で、ナノレベルの粒子径をもつ窒化ケイ素ナノ焼結体を作製することができた。多数個の粒子の径を測定して算出した平均粒子径は約70nmであった。焼結温度を50℃高くすると、粒成長が進み、もはやナノセラミックスとはいえず、焼結温度が低いと高密度化が不十分であったことから、ナノセラミックス作製には精密な温度制御が不可欠であることが示唆された。 2.窒化ケイ素ナノ焼結体の組織安定性 緻密なαサイアロンナノセラミックスを焼結温度よりも高温で3時間熱処理し、粒成長を観察し、組織の安定性を検討した。熱処理により、いくつかの粒子が選択的に柱状に成長し、微細な粒子中に柱状粒子が分散している、いわゆる"自己複合組織"が形成された。比較のため、数百ナノメートル程度の粒子が均一に分散している焼結体を同様の条件で熱処理したところ、いくつかの粒子が選択的に成長したものの、柱状ではなく等軸上の成長であった。自己複合組織を持った窒化ケイ素セラミックスは靭性が高いことが知られており、窒化ケイ素ナノセラミックスでは、熱処理により粒成長は起こるが、自己複合組織が得られることから、高靭化が可能であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)