2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360345
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
西村 聡之 National Institute for Materials Science, ナノセラミックスセンター, 主幹研究員 (50354428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 英彦 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, グループリーダー (40343868)
広崎 尚登 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, グループリーダー (80343838)
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Keywords | 構造・機能材料 / セラミックス / ナノ材料 |
Research Abstract |
窒化ケイ素セラミックスのナノスケール焼結における焼結助剤の影響を検討した。窒化ケイ素は共有結合性の物質であり、焼結体を作製する際には、比較的純度が高い窒化ケイ素粉末に酸化物、窒化物等の焼結助剤を混合し、これを固めて加熱する。焼結助剤は窒化ケイ素粉末表面のケイ素の酸化物と反応して、加熱中に液相を生成する。液相が存在することにより、窒化ケイ素粒子の移動が容易になり、液相を介しての物質移動が起こるため、窒化ケイ素粒子が密に充填し、緻密な焼結体が作製できる。これまでの研究では、この焼結助剤として、酸化イットリウムと酸化アルミニウムの組み合わせを用いてきたが、より低温で液相生成が期待される酸化イットリウムと酸化マグネシウムの組み合わせと、高密度化が難しいとされる酸化イットリウムの単独添加について検討した。これらの粉末の混合物をあらかじめ高エネルギー粉砕により、粒子を微細化し、昇温速度を速くして加熱することにより、粒成長を抑えつつ、高密度の焼結体を得ることを試みた。酸化イットリウム-酸化マグネシウム系では、酸化イットリウム-酸化アルミニウム系と比較して、焼結温度は同じで、短時間に高密度化を達成できた。酸化イットリウム単独の場合は、1650℃、5分の焼結で高密度焼結体が作製できた。低温焼結のためには、低温で液相生成する焼結助剤系が有利であることは、従来の加圧焼結の場合と同様の傾向であることを確認した。酸化イットリウム単独添加の場合は、従来、焼結による高密度化が難しいとされてきたが、高エネルギー粉砕による粒子の微細化と、短時間焼結により1650℃という低温で、高密度化を達成することができた。本結果より、粒子径を100ナノメートルよりも小さくすることな、高密度化に有効であることが確認できた。
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Research Products
(4 results)