2006 Fiscal Year Annual Research Report
メタンガスを利用したチタン母材組織の超微細化を伴う新表面硬化処理法
Project/Area Number |
17360347
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
成島 尚之 東北大学, 先進医工学研究機構, 教授 (20198394)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 太一 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (80374966)
|
Keywords | チタン合金 / 表面硬化処理 / 組織微細化 / メタンガス / 加工劾処理 / 固溶強化 / 水素処理 / 水素化物 |
Research Abstract |
前年度、Ar-メタン混合ガスによるα+β型チタン合金の微細化+硬化処理を検討し、表面硬化は可能であったものの、組織微細化のための水素が十分にチタン中へ導入されないことが明らかとなった。その結果を踏まえ、本年度はTl-6Al-4V及びSP-700合金(T1-45Al-3V-2Fe-2Mo)を用いた(1)メタンー水素混合ガスによる処理、(2)水素のみを用いた組織微細化、の検討を行った。 (1)メタン-水素混合ガスによる処理 微細化のための水素をチタン中に導入するために、CH_4:H_2=1:1雰囲気において吸水素処理を1023Kにおいて1.8ks行った。しかしながら、その後の時効処理、脱水素処理を経ても、いずれのα+β型チタン合金においても組織の全体的な微細化は達成されなかった。組織を詳細に観察すると、表層付近には微細な組織が観察される領域が存在した。表層付近は炭素の固溶により表面硬化と共に、β変態点が上昇していると考えられる。すなわち、各合金のβ変態点と処理温度の関係の把握が必要であることを意味しており、水素のみを用いて微細化条件の詳細を把握することとした。 (2)水素のみを用いた組織微細化 吸水素条件、1023K、1.8ks、時効処理523〜873K、28.8ks、脱水素処理973〜1173K、3.6ksにおいて、組織微細化を検討した。Ti-6Al-4Vにおいては、773Kにおける時効処理の後、脱水素処理を973Kからll73Kにおいて行うことで等軸化も含めた微細組織制御が可能であった。一方、SP-700合金では、微細化せすに、針状のα相が形成された。この理由は、SP-700合金のβ変態点がTi-6Al-4Vよりも100Kほど低いために、吸水素処理で十分なひずみが導入されなかったためと考えられた。今後、吸水素条件の詳細な検討が必要と思われる。
|