2005 Fiscal Year Annual Research Report
ARB法を利用したバルクメカニカルアロイングによる非平衡相の形成機構の解明
Project/Area Number |
17360355
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻 伸泰 大阪大学, 工学研究科, 助教授 (30263213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝野 和博 物質・材料研究機構, 材料研究所ナノ組織解析グループ, ディレクター (60229151)
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Keywords | アルミニウム / 鉄 / 強ひずみ加工 / ARB / メカニカルアロイング / 過飽和固溶体 / アモルファス / 金属間化合物 |
Research Abstract |
Fe/Al積層体に対して、ARB法により対数相当ひずみ16に達する巨大ひずみ加工(バルクメカニカルアロイング)を室温にて行なった。相当ひずみ16とは、厚さ7.7kmもの巨大な金属の塊を、厚さ1mmまで圧延する事に相当する。変形能の異なる2種の金属の積層体のため、圧延中に塑性不安定が生じ、多数の剪断帯が発生して、積層構造を破壊した。しかしながら、特に剪断帯内部においては、大きな塑性ひずみが集中し、FeとAlの混合が行なわれた。巨大ひずみ加工材において、主にAl中にFe原子が強制固溶した事が、 FE-SEM/EDSにより定性的に、そしてFe-TEM/EDSにより定量的に確かめられた。検出されたFeの固溶量は、状態図における平衡固溶量を遥かに上回っていた。そして試料中には、部分的にFeとAlの混合した組成を有するアモルファス相が観察された。アモルファス相は、過飽和固溶体が一旦金属間化合物Al5Fe2となり、それがさらに強加工を受ける事によって生成したものと考えられた。Al-Fe系は、融液からの急冷凝固法ではアモルファスが得られない系であり、バルクメカニカルアロイングによる固相プロセスが、得る事の困難な非平衡相を創製するための有用な方法である事が確認された。
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Research Products
(7 results)