2007 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザーによる超低摩擦・局部導電性ナノ構造炭素薄膜の開発研究
Project/Area Number |
17360362
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
安丸 尚樹 Fukui National College of Technology, 機械工学科, 教授 (90158006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 健創 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (50293957)
加藤 寛敬 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (30311020)
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Keywords | フェムト秒レーザー / アブレーション / 硬質薄膜 / DLC / ナノ構造 / 走査型プローブ顕微鏡 / トライボロジ-特性 |
Research Abstract |
本研究では、ナノ構造を大面積(15mm×15mm)で均一に加工する技術と網目状など各種パターンで加工する技術を開発し、ナノ加工後のDLC薄膜に対し、(1)実荷重域と(2)微小荷重域のトライボロジー特性の制御性を検討した。今年度は特にDLC膜をナノ加工後、固体潤滑膜のMoS_2を被覆する複合成膜技術を開発し、MoS_2膜のトライボロジー特性に与える影響を調べた。その結果、(1)実荷重域では、ナノ加工後MoS_2を被覆すると摩擦係数が大幅に減少し、なおかつ耐久性も優れることを見出した。さらに真空中では、DLCのみでは摩擦係数が増加するため、MoS_2膜が有効かつ不可欠であることを明らかにした。また、DLC表面に数100μm間隔で網目状にパターン化してナノ構造を形成することにより、表面の起伏をほとんど変化させずに、摩擦係数を逆に大幅に増加する技術を開発した。本研究で開発したトライボロジー特性制御技術により、表面あらさが数10nm以下の変動で、DLC薄膜の摩擦係数を極めて微小な0.02レベルから大幅に大きい値まで広範囲に変化させることが可能となった。 (2)微小荷重域に対しては、100〜2000μNの荷重範囲で、ナノスクラッチ試験を実施した。その結果、ナノ加工後のDLC薄膜の摩擦係数は、レーザー強度と共に増加する傾向を示すが、照射部表面が軟化し測定用ダイヤモンドチップ(先端半径1μm)がめり込むことによる影響などを考慮する必要性が明らかになった。なお、最適条件でGC化した導電性パスの摩擦係数は、DLCより少し増加する程度であることが判明した。また、この測定条件では、MoS_2薄膜の被覆により摩擦係数はさらに増加傾向を示すことが分かった。このような微小荷重域でのトライボロジー特性はマイクロマシン等への応用で重要であり、今後も研究データを蓄積し、成果を外部に公表して行きたいと考えている。
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Research Products
(10 results)