2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360365
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秋山 友宏 北海道大学, エネルギー変換マテリアル研究センター, 教授 (50175808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖中 憲之 北海道大学, エネルギー変換マテリアル研究センター, 助手 (20250483)
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Keywords | グリーン水素製造 / 廃棄アルミニウム / アルミドロス / エクセルギー / 高圧水素 |
Research Abstract |
現在日本国内では年間約170万トンのAlスクラップが排出されているが、約80万トンはリサイクルされずに埋め立て処理(不明分含む)されている。本研究では金属Alのアルカリ水溶液中での加水分解反応を利用し、水素とAl(OH)_3を製造するプロセスを提案した。すなわち廃棄Alが持つ「化学エクセルギー」を、水素とAl(OH)_3の「化学エクセルギー」に転換するプロセスの提案である。提案プロセスは適宜条件設定することで、生成する水素の「圧力エクセルギー」、アルカリ水溶液の「熱エクセルギー」を同時に回収することが可能である。圧力容器を用いて高圧水素を直接製造できればエネルギー多消費であるガスコンプレッサーによる昇圧プロセスの必要がない。さらに高圧下において加水分解時の反応熱を利用して超(亜)臨界を得ることができれば、投入するアルカリ量を減少できるなどのメリットがある。 平成17年度は開発した高圧水素製造装置を用いた基礎的実験において、所望の圧力(最大30MPa)の水素をガスコンプレッサーを用いることなく製造することに成功した。本装置の特徴は、試料を予め投入した反応器内に液送ポンプを用いて水を封入および圧縮し、後にアルカリ水溶液を投入する点である。液送ポンプ使用時の常圧から30MPaまでの圧縮動力をガスコンプレッサーと比較したところ、投入エネルギー量、CO_2排出量およびエクセルギー損失はいずれも0.01%を下回り、圧縮プロセス削減の効果が明らかとなった。また低濃度のアルカリ水溶液を用いた際、設定圧力が臨界圧力(22MPa)以下と以上の場合では高圧水素発生特性が顕著に異なったことから、超(亜)臨界の効果が得たれたことを確認した。 次年度は水酸化Alの回収およびアルカリ再生操作の検討、水素吸蔵合金を用いた高圧グリーン水素ガスの貯蔵および精製を行う予定である。
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Research Products
(3 results)