2006 Fiscal Year Annual Research Report
マランゴニ効果を活用した直接メタノール形小型燃料電池開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
17360374
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
岡野 泰則 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (90204007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 雅夫 静岡大学, 工学部, 教授 (80154615)
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Keywords | 燃料電池 / 化学工学 / 流体工学 / 環境技術 / 数値解析 / 伝熱 / 物質移動 / 化学反応 |
Research Abstract |
現在、燃料電池はクリーンなエネルギー技術として幅広い分野において応用が期待されている。自動車のような大出力を要求されるものに対しては水素あるいは空気を燃料とする固体高分子形燃料電池(PEMFC)の開発が行われている。一方携帯電話やノートPCといった小型携帯機器用としては、直接メタノール形燃料電池(DMFC)が適している。しかし、実用化のためには更なる小型化が必要となる。そこで問題となるのが、燃料である液体メタノールの供給法である。現在は小型ポンプを用い燃料を供給しているが、更なる小型・軽量化のためにはポンプを用いない新しい燃料供給手法の確立が急務である。そこで本研究ではマランゴニ対流を積極活用した新しい燃料供給システムを備えた小型・軽量直接メタノール形燃料電池を開発するための基礎研究を行うものである。 本年度は既に申請者により開発済みである、単セル用三次元数値解析コードをスタックセル用へと拡張し、スタックセル内マランゴニ対流現象の詳細な挙動に関し解明を行い、以下の成果を得た。 (A)単セル用解析コードのスタックセルへの拡張 現在開発済みの燃料電池単セル用コードをスタックセルをも解析可能なように解析コードを拡張した。このコードを用い解析を行ったところ、PEMFCは単セルに比べスタック化することにより大幅な温度上昇が見られるのに対し、DMFCにおけるスタック化による温度上昇度は小さかった。これは従来の実験結果と定性的に一致するものである。 (B)DMFCスタック内マランゴニ対流現象利用の可能性の検討 DMFCスタックセル内のマランゴニ対流現象に関し上記(A)で開発した解析コードを用い詳細に解析を行った。特に、セルサイズや原料供給方向を変化させることによるセル内温度分布の変化に着目した。その結果原料供給方向は単セルでは重要な影響を及ぼしたが、スタック化することによりその影響はほぼ消滅した。これよりマランゴニ対流を利用した、気泡発生に伴う流路内目詰まりの除去実現の可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)