2005 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素修飾基の導入による超臨界二酸化炭素に対する溶解度の促進
Project/Area Number |
17360376
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒井 康彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50005435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 芳夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80176528)
米澤 節子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (50294898)
下山 裕介 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30403984)
東 秀憲 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (40294889)
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Keywords | 溶解度 / 昇華圧 / フッ素化合物 / 2-トリフルオロメチル安息香酸 / 3-トリフルオロメチル安息香酸 / 昇華熱 |
Research Abstract |
紫外可視分光光度計(UV装置)を組み込んだ固体物質の昇華圧測定装置を作製した。測定にあらかじめ光学セル内に試料を仕込んでおき、光学セルを設定温度に加温した恒温槽内に設置した。また工学セルに連結させた注射器により、セル内へ微風を送り気相を撹拌した。平衡状態に達したことを確認した後、気相における物質濃度をUV装置により測定した。理想気体の状態方程式を用いて得られた物質濃度より昇華圧を決定した。始めに、昇華圧データが報告されているナフタレンの測定を行い、得られた測定結果と文献値が一致したことから、本研究で作製した昇華圧測定装置の健全性を確認した。次にフッ素化合物として2-トリフルオロメチル安息香酸、3-トリフルオロメチル安息香酸を選択し、測定を302.82-333.03Kで行った。310Kより低温域では3-トリフルオロメチル安息香酸の昇華圧が高く、310Kより高温域では2-トリフルオロメチル安息香酸の昇華圧が高い結果となった。 本研究で得られた昇華圧データをClausius-Clapeyron式を用いて相関した。2-トリフルオロメチル安息香酸、3-トリフルオロメチル安息香酸の両物質について、相関結果は測定結果と良好な一致を示した。また、得られた昇華圧測定データを用いてClausius-Clapeyron式より各物質の昇華熱を求めた。2-トリフルオロメチル安息香酸、3-トリフルオロメチル安息香酸の昇華熱はそれぞれ、60.9、38.6kJ/molとなり、2-トリフルオロメチル安息香酸の方が大きな値を示した。昇華熱の結果より、2-トリフルオロメチル安息香酸の結晶構造がより安定であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)