2006 Fiscal Year Annual Research Report
単分散ゼオライトナノクリスタル積層型蝕媒膜による形状選択的部分酸化反応場の創成
Project/Area Number |
17360379
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
増田 隆夫 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (20165715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多湖 輝興 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20304743)
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Keywords | ゼオライト / ナノクリスタル / 選択酸化反応 / 外表面酸点不活性化 / Ni固定化ゼオライト / ナノクリスタル積層膜 / 触媒膜 |
Research Abstract |
結晶性のアルミノ珪酸塩であるゼオライトは、高い分子篩い能と強い固体酸性を示す。特に、ZSM-5ゼオライトでは、その結晶細孔がベンゼン等の芳香環と同程度であるため、形状選択的反応への展開が図られている。しかし、1)細孔径が反応分子と同程度であるため拡散律速になる、2)結晶外表面上酸点での反応では形状選択性が発現しない、という問題点がある。本研究ではこれらの問題を解決するため、結晶サイズが100nm以下のZSM-5ゼオライトナノクリスタルの調製と結晶外表面酸点の選択的不活性化、膜型反応器作製、Ni固定化に関して検討を進めた。 1)結晶性、固体酸性質が同じで、結晶サイズのみが異なるZSM-5ゼオライト(サイズ2μm;マイクロゼオライト、50nm;ナノゼオライト)の作製に成功した。これらZSM-5ゼオライトによるメタノールの反応実験を行った。マイクロゼオライトでは、反応開始直後から触媒の活性劣化が進行したが、ナノゼオライトでは6時間以降も高活性を維持した。 2)ナノゼオライトの結晶外表面酸点を、フェニルシラン系化合物を用いて選択的に不活性化することに成功した。同触媒により反応中間体であるジメチルエーテルの選択性を向上させることができた。 3)上記ナノゼオライトをアルミナフィルター上に積層し、ナノクリスタル積層膜を作製した。ナノクリスタル積層量を20mm〜40mmの範囲で制御することに成功した。ナノクリスタル積層膜では、メタノールの反応において、反応中間体であるジメチルエーテルとオレフィンを、選択率90%以上で合成することに成功した。 4)ZSM-5ナノゼオライト酸点にNiをイオン交換法より固定化した。ナノゼオライトの結晶外表面酸点を不活性化することにより、結晶外表面酸点にはNiが固定化されていない。形状選択的な酸化反応を可能とするナノゼオライト、及び積層膜型反応器の調製に成功した。
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Research Products
(6 results)