2005 Fiscal Year Annual Research Report
クロスフロー型触媒膜反応器による高効率フェノール直接合成プロセスの開発
Project/Area Number |
17360380
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
伊藤 直次 宇都宮大学, 工学部, 教授 (90356478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 剛史 宇都宮大学, 工学部, 助手 (60375524)
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Keywords | 膜反応 / パラジウム膜 / 酸化 / フェノール |
Research Abstract |
本年度は、クロスフロー型膜反応器開発に必要なパラジウム薄膜の作成方法の検討を行うと共に、並流型反応器を用い水素透過触媒膜反応によるベンゼンからのフェノール合成実験を行い、供給酸素流量がフェノール収率に及ぼす影響を評価した。 パラジウム薄膜作成は、CVD法により酢酸パラジウムを昇華させアルミナ管支持体上にて分解・析出させることで行った。製膜装置内のパラジウム昇華過程についてCFD(Computational Fluid Dynamics)計算を行った所、吸引により陰圧としたアルミナ管表面では、製膜部の吸引側から優先的に昇華ガスが流入する傾向があった。その現象を確認するために、製膜実験において電気抵抗測定、膜透過特性評価等を通じて製膜過程を追跡した結果、膜の緻密化は製膜部の吸引側から生じていることがわかった。また、現在の製膜工程には約120分要しているが、60分過ぎから急速に膜の緻密化が進行することが明らかとなった。 並流型反応器を用いるベンゼンからのフェノール合成実験において、供給酸素流量の影響を検討した。主生成物はフェノール、シクロヘキサン、二酸化炭素であった。酸素流量の低い領域ではフェノールのみがわずかに生成し、酸素流量増大にともないフェノール収率が増大した。酸素流量が高い領域では、フェノールから二酸化炭素への酸化が促進され、フェノール収率は減少した。この結果より、フェノール収率は供給酸素流量に対して極大値を有することが明らかとなった。 また、クロスフロー型反応器の試作を終えており、今後その性能評価を行う予定である。
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Research Products
(3 results)