2006 Fiscal Year Annual Research Report
クロスフロー型触媒膜反応器による高効率フェノール直接合成プロセスの開発
Project/Area Number |
17360380
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
伊藤 直次 宇都宮大学, 工学部, 教授 (90356478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 剛史 宇都宮大学, 工学部, 助手 (60375524)
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Keywords | 膜反応 / パラジウム膜 / 酸化 / フェノール |
Research Abstract |
本年度は、クロスフロー型膜反応器に組み込むパラジウム薄膜の効率的な作成方法の検討を行うと共に、昨年度開発したクロスフロー型反応器を用いた、水素透過触媒膜反応によるベンゼンからのフェノール合成実験を行い、反応器内温度分布を評価した。 本研究でのパラジウム薄膜作成は、酢酸パラジウムを原料としたCVD法にて行っている。この際に複数本の支持管を製膜装置内に導入して、多管同時製膜による製膜の効率化を試みた。製膜装置内のパラジウム昇華過程のCFD計算と製膜実験の両面からの検討の結果、製膜装置内にはパラジウム厚さが最大となる最適製膜部位が存在し、支持管をその位置に保持することが望ましいことがわかった。 製膜実験と平行して、クロスフロー反応器を作成した。本反応器は、パラジウム膜管内部にベンゼン・酸素を供給し、管外部に水素をクロスフローで供給できるようになっている。まず、本反応器を既存の実験装置に接続して予備実験を行った。この時フェノールが生成したこと等により本反応器の妥当性を確認した。次に、反応管の流れ方向に沿って3箇所に熱電対を挿入し、反応時の反応器内温度分布を測定したところ、反応器上流側の温度が高くなる傾向を示した。また、酸素流量を変化させた際には、酸素流量の増大により温度分布が変化し、フェノール生成に最適な温度分布が存在することがわかった。これらの結果は、反応器内において反応進行度に応じて局所的な温度が異なり、温度分布の把握が重要であることを示している。 今後、温度等のパラメータとフェノール生成の最適条件の関係について詳細な検討を進める予定である。
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Research Products
(2 results)