2005 Fiscal Year Annual Research Report
チタン,ジルコニウム系複合酸化物ナノ粒子の晶癖制御と部分硫化による新規光触媒開発
Project/Area Number |
17360384
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村松 淳司 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40210059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修彰 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (70154078)
山本 勝俊 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (60343042)
高橋 英志 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助手 (90312652)
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Keywords | チタニア / ジルコニア / ナノ粒子 / 部分硫化 / 光触媒 / ペロブスカイト / 形態制御 / 単分散微粒子 |
Research Abstract |
本申請課題では,BaTiO_3,SrTiO_3,BaZrO_3,SrZrO_3等の単分散ナノ粒子を液相法で合成し,形態制御剤による晶癖制御を行い,続いて硫化水素あるいは二硫化炭素による部分硫化処理か,窒素あるいはアンモニアによる部分窒化処理を行うことで,可視光領域に吸収を持つ全く新しい光触媒を調製することを目的とした.本年度の研究実績概要は以下のようである. 1.液相法によるBaZrO_3ナノ粒子の合成法開発と粒径制御 Zr[OCH(CH_3)_2]_4とN(CH_2CH_2OH)_3から得られるZr錯体を水中で安定なZr源として用い,Ba(OH)_2存在下,仕込みのBa/Zrモル比,初期pH,および反応温度などを制御して,BaZrO_3ナノ粒子を液相法で得る条件探索を行った.その結果,仕込みのBa/Zr比を2-4とすることで比較的単分散性に優れた球状BaZrO_3粒子が合成できることを見出した.この際,反応初期pHを14.5から13.5にあるいは反応温度を250℃から150℃に低下させることによって得られる球状BaZrO_3粒子の平均粒径を3μmから300nmへと低下できることも明らかとなった.本手法を用いてBaZrO_3粒子のさらなるナノサイズ化および形態制御を現在検討中である. 2.合成したBaZrO_3粒子の部分硫化と光触媒活性の評価 合成した粒径3μmのBaZrO_3粒子をCS_2気流下100-500℃で加熱して部分硫化を行った.X線回折およびUV測定の結果,ペロブスカイト構造を維持しつつ部分硫化処理が行えることを見出した.得られた部分硫化BaZrO_3粒子の光触媒活性を評価した.その結果,300-400℃で部分硫化したBaZrO_3が特に高い触媒活性を示し,その活性は我々が開発した部分硫化TiO_2ナノ粒子の活性の1.4倍程度であった.BaZrO_3のナノサイズ化によりさらなる高活性光触媒の発見に繋がると期待できる.
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Research Products
(6 results)