2005 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素修飾による疎水性メソ空間の創製と環境汚染物質の高度濃縮・光触媒分解
Project/Area Number |
17360388
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 弘巳 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40200688)
|
Keywords | メソポーラス / 疎水性表面 / フッ素修飾 / 光触媒 / 高度濃縮 / 環境浄化 / メソ空間 / 水浄化 |
Research Abstract |
メソ多孔質シリカの表面または骨格にフッ素イオンを修飾することにより、有機物の吸着濃縮に適した疎水性表面を有するメソ多孔質シリカを新たに創製することを試みた。これを触媒担体とし酸化チタン光触媒と組み合わすことにより、環境ホルモンやダイオキシンなど環境内に希薄に拡散している有機汚染物質を高度に吸着濃縮し、さらに光触媒反応により効率よく酸化分解する環境浄化システムを開発した。 本年度の研究では、1)フッ素イオン修飾による新規疎水性メソ多孔質シリカの創製、2)酸化チタン光触媒との複合化、3)開発した吸着剤/光触媒系の濃縮作用と光触媒作用の評価、を段階的に行った。 フッ素イオン修飾の手法として、メソ多孔質シリカ合成時に構造規制剤のテンプレートにフッ素を含有した有機化合物を混合する方法、フッ素を含む無機塩を混合する方法、フッ素を含む溶媒中での合成を試みる方法などを試み、その最適条件を探索した。 合成した疎水性メソ担体にポストシンセシス的に光触媒を固定化する手法として、平衡吸着法、CVD法、単原子層析出法などを試みた。また、ゾル-ゲル法類似の手法を適用し、メソ多孔質シリカ合成時に酸化チタン種を骨格に組み込む試みを行い、触媒調製の最適化を検討した。 開発した吸着剤/光触媒系の選択吸着・濃縮作用の評価には、水分子や有機分子についての選択的ガス吸着測定、TPD測定、表面OH基のIR観察などを通して行った。 開発した吸着剤/光触媒系の光触媒作用の評価には、空気や水中の希薄に拡散した有機汚染物質のモデル反応として、有機ハロゲン化物、芳香族有機化合物、アルデヒド類、環境ホルモンのモデル化合物の酸化分解反応を検討した。
|
Research Products
(7 results)