2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360389
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
犬丸 啓 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80270891)
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Keywords | 触媒 / ナノテクノロジー |
Research Abstract |
本研究では,研究代表者のいままでの研究と「ナノ有機-無機協奏機能」の概念をさらに発展させるべく,無機部の機能として触媒機能を取り上げ,ナノ空間中で修飾有機基がつくりだす反応場と無機触媒活性点が協力して高機能を発現する「ナノ有機-無機協奏触媒」のコンセプトの確立を目指した.本年度は,有機物の選択的水素化機能に着目し,Pd/メソ多孔アルミナをベースとして水素化触媒系に取り組んだ.種々の有機修飾を行い,シンナムアルデヒド(3-フェニル-2-プロペナール)の水素化選択性制御を行なった.クロロプロピル基を導入すると、水素化選択性を制御できることを我々が見出したが,その制御要因が不明であった.X線光電子分光によりPd表面の電子状態を詳細に解析し,反応選択性の支配要因を探った.その結果,クロロプロピル基修飾によりPdの表面電子状態が負電荷側に変化すること,負電荷が大きいほどC=O二重結合の水素化選択性が増加することが分かった.また,クロロプロピル基の塩素は有機基から解離し塩化物イオンになっていることも明らかとなった.シリカ担体ではこの有機基の解離は起こらず,アルミナ担体上の酸点の寄与が推察される.以上,多孔体ナノ空間中に貴金属活性点と有機修飾を行い,ナノ空間中で有機基がPd粒子と相互作用し電子状態を変化させ水素化選択性を制御できることが分かった.これは,ナノ空間で向き活性点と有機基が協力して触媒機能を創出する「ナノ有機無機協奏触媒系」の構築とその機能制御が達成できたことを示している.
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Research Products
(3 results)