2005 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的触媒促進効果を利用した生活環境浄化リアクタの創出と応用
Project/Area Number |
17360391
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
町田 正人 熊本大学, 工学部, 教授 (70211563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 啓太 熊本大学, 工学部, 助手 (60372786)
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Keywords | 高分子固体電解質 / プロトン伝導体 / 硝酸性窒素 / 浄水 / 水素 / 電気化学 |
Research Abstract |
プロトン伝導性高分子固体電解質(PEM)を用いて水蒸気から活性水素を電解生成し、酸化性有害物質を常温で高効率に還元浄化する全く新しい電気化学触媒プロセスの開発を目的に研究を行った。特に飲料用水中の硝酸性窒素(NO_3^-およびNO_2^-)の還元無害化へと応用し、新たな浄水メカニズムを確立した。本技術はプロトン伝導性高分子固体電解質を用いて水蒸気から水素を電解生成し、陰極においてNO_3^-およびNO_2^-をN_2へと還元浄化する。この触媒反応は、陰極で生成するきわめて高活性な水素を利用するものであり、既法を遥かに凌駕する画期的な超高効率プロセスであることが明らかになった。素子の硝酸イオン還元に対する電流効率(ファラデー効率)は30%を超え、従来の水素ガスを用いる触媒還元法の効率に比べて数十倍近く高い。このような注目すべき高性能は陰極最表面近傍に存在する触媒成分に依存しており、電気化学的に発生する水素の化学状態、金属表面のナノ構造と局所組成に関連して触媒反応が電気化学的に加速される「電気化学-触媒ハイブリッド」効果が作用していることを突き止めた。さらに、生成物は主に無害な窒素分子と水で、有害なアンモニアや亜硝酸イオンはほとんど生成しないため、既存の触媒法に比べて格段に優位な浄水技術として期待される。
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Research Products
(3 results)