2005 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックチキンバイオリアクターにおける卵白特異的発現システムの開発
Project/Area Number |
17360396
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上平 正道 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40202022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 信司 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00168056)
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Keywords | 生物・生体工学 / バイオテクノロジー / 発現制御 / 応用動物 / ウイルスベクター |
Research Abstract |
トランスジェニックニワトリを組換えタンパク質生産のためのバイオリアクターとして用いるシステムを確立するために、鶏卵中に特異的に目的タンパク質を生産させるための発現システムの開発を目的としている。最終的には、卵白特異的な発現システムを構築する必要があるが、本研究ではニワトリ胚への遺伝子導入にレトロウイルスベクターを用いるため、オボアルブミンプロモーターのように組織特異的な高発現を誘導するプロモーター領域全体を導入することは、ベクターへの挿入サイズ制限の関係上使用できない。そのため、プロモーター領域をコンパクトにしてレトロウイルスベクターに組み込む必要があることから、組織特異的な発現に必要な最小領域と高発現誘導システムを合体させた合成プロモーターの開発を行うことにした。本年度においては、(1)輸卵管組織特異的発現領域の同定、(2)合成プロモーターによる大量発現システムの構築、(3)組織特異的領域と合成プロモーターのハイブリッド化、(4)細胞培養による発現システムの評価について検討を行った。オボアルブミンプロモーター領域をDNase感受性領域として既に報告があるものをもとに分割して発現ベクターに導入して組織特異的な発現に必要な領域の絞り込みを行った。この検討の過程で、既報のネガティブコントロール領域に転写調節因子YY1が結合することがわかった。また、培養細胞を用いて、構築した合成プロモーターシステムにおける転写活性化因子のポジティブフィードバックによる大量発現誘導について検討を行ったところ、高発現を誘導したため、発現のリークがおこっていることが判明し、発現リークを防ぐためのシステムの導入が必要であることがわかった。今後は、発現の厳密な制御を実現するために、組織特異的な転写調節領域における負の調節メカニズムの導入を試みる。
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Research Products
(1 results)