2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360401
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西尾 尚道 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (30034383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿薗 俊英 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (00214255)
中島田 豊 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (10281164)
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Keywords | 酢酸 / エタノール / 水素 / 嫌気性菌 / Moorella / アルコール脱水素酵素 / アルデヒド脱水素酵素 |
Research Abstract |
本研究では、我々が単離した酢酸・エタノール生産好熱性偏性嫌気性菌Moorella sp.HUC22-1株を用いて、バイオガスからの有用物質生産(酢酸、エタノール)を目的とした代謝工学的、培養工学的基盤研究を行った。 1)水素資化嫌気性菌培養モデリング HUC22-1株の酢酸、エタノール生産向上を目的とし、酢酸による増殖阻害モデルを構築した。その結果に基づき、H_2-CO_2を電子供与体、炭素源とし、菌体リサイクルを伴う連続培養システムを構築し、酢酸濃度が菌体増殖を阻害するレベルに達しないように培養を行なったところ、pH6.3で培養した場合に酢酸840mmol/l、pH5.8で制御することによりエタノール15mmol/lの生産が可能となった。 2)エタノール生成経路の解析 HUC22-1株の近縁種、Moorella thermoaceticaのゲノム情報に基づき、HUC22-1株のアルコール脱水素酵素(ADH)及びアルデヒド脱水素酵素(ALDH)をクローニングした。これら遺伝子をE.coliに導入して酵素を発現させ、抽出、精製し、その特性を解析したところ、これらの酵素群は、アセチルCo-Aを基質としてエタノールを生産する機能を有することが分かった。 3)ガス資化嫌気性菌の探索・単離 新規バイオガス資化嫌気性微生物を単離するために、温泉土壌、地下水、大学周辺土壌など様々なサンプルをH_2-CO_2をそれぞれ電子供与体、炭素源とし、さらに硫酸、硝酸、鉄(II)イオンなどの電子受容体を添加し、回分培養により集積培養し、増殖の早い菌株を中心にコロニー単離を試みたが、現状までに、醋酸生成菌以外の有力な株は単離できていない。 以上のような結果を踏まえ、来年度はさらに、22-1株のエタノール生産酵素系の解析及びエタノール高生産株の育種方針の策定を行うとともに、新規微生物菌株の単離を引き続き行う。
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Research Products
(1 results)