Research Abstract |
平成17年度に実施した縦渦の導入による2重せん断増の混合促進効果を解析的に調べるために数値計算を実施した.まず,線形安定性解析による流れの不安定性の影響を検討した.その結果,流れ場の一次不安定性によって,スパン方向渦構造が形成される様子が示されている.次に,この流れ場を基本流れとした二次不安定性問題から得られた流れ場に関する考察を同様の手法で行った.その結果,二次不安定性によって,スパン方向擾乱は流れ場内で成長し得ることが明らかにされている.しかしながら,本解析手法では,スパン方向渦が変形を受ける段階までは記述できるものの,縦渦への成長段階までは記述できないため,擾乱の非線形成長を調べる他の手法が必要であると思われる.次にせん断層の成長に関する空間発展計算を行った.流れの支配方程式を導入し,数値解法について検討を行った上で,数値計算コードを構築した.説明されている.また,二次不安定性を励起するために対象となる流れ場に導入する3種類の擾乱特性およびその導入方法の検討を行い,その具体的な手法を試みた.数値計算を実施した結果,最大の増幅率を持つ擾乱のみを導入した場合,上流では線形安定解析における二次不安定性問題と同様の流れ場が得られていることを明らかにした.この結果から,本研究で用いた励起方法によって二次不安定性を励起することが可能であることを確認した.また,流下とともに,コアに絡みつくような管状の縦渦構造(リブ構造)が形成されることが示された.この結果を踏まえ,実験において形成されるせん断流れを模擬することを目的として,正の増幅率を持つ全ての擾乱を導入した場合の詳細な計算を行い,流れ場の挙動,せん断層の変形および成長の詳細な挙動を明らかにした.この場合,擾乱を導入しない二次元計算と比べて,リブ構造によってせん断層厚さが増加することが明らかにされた.特に,スパン方向渦とリブ構造の波長が同じ場合に,最もせん断層厚さが増加し,最大の混合促進効果が得られることがわかった.また,二つのスパン方向擾乱を導入した場合には,混合促進効果が抑制されることが示された. これと平行して,超音速流中に液体燃料を噴射して,その自発点火挙動および保炎挙動を調べるための基礎実験を行った.燃焼器にキャビティを設けることで,液体燃料の自発点火が可能となり,広い当量比,全温範囲で安定な燃焼が生じることを明らかにした.
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