2005 Fiscal Year Annual Research Report
パラシュートのインフレーション過程における流体・構造物連成振動に関する研究
Project/Area Number |
17360409
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
新井 紀夫 東京農工大学, 大学院・生科学技術研究部, 教授 (20126288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 葉子 東京農工大学, 大学院・生科学技術研究部, 助手 (10262239)
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Keywords | パラシュート / 流体・構造物連成振動 / 開傘過程 / 仮想質量 |
Research Abstract |
高速から低速までの広範囲の流速において飛行体の減速方法として最も有効な空力的減速法としてパラシュートが用いられている.これは,軽量且つ収納スペースが小さくて済み,確実で大きな抗力が得られるからである.現実的な問題として,確実な開傘性能が要求されているが,その詳細は未だ不明な点が多くある.その理由はひとえにその柔軟性及び軽量性にある.柔軟性は,その形状が周囲流体の影響により瞬時に変化することに関係し,軽量性は,その物体の仮想質量を無視し得ないことに関係している. 今年度は,縦型水槽を用いた実験により,その振動特性を明らかにすると共に,数値シミュレーションにより,開傘初期の流体力学的干渉問題とその変形特性を明らかにした.また,その軽量性ゆえに考慮しなければならない仮想質量の計算手法についても吟味した.その結果,概ね次の結論を得た. 1.実験による振動パターンの分類の結果,そのレイノルズ数により変化するが,直線状運動,円弧運動,周回運動の3種類の運動に分類できることが分かった. 2.開傘過程においては,初期においてはかなり早く開傘するが,ある程度開傘すると開いたり閉じたりの挙動を示した後,完全に開傘し,その形状はほぼ一定で時間的に変化しないことがわかった.その際の抗力の時間的変化と開傘の様子は完全にリンクし,実験結果と良い一致を示した. 3.軽量な物体が流体中で振動運動のような加速度運動をする場合,その運動を正確に記述するためにはその物体の仮想質量を考慮しなければならないが,一般的な形状の物体に対する仮想質量の計算方法を提案した.
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Research Products
(3 results)