2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360427
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
廣吉 直樹 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50250486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恒川 昌美 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (40002026)
米田 哲朗 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (00002056)
伊藤 真由美 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (10339690)
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Keywords | 黄銅鉱 / 浸出 / 電位 / 酸化還元 / 制御 / カラムリーチング / ヒープリーチング |
Research Abstract |
本研究の目的は,黄銅鉱の高速ヒープリーチングを実現するために,鉱石堆積層内における電位制御技術を開発することである.前年度(初年度)は,回分浸出実験と電気化学実験により黄銅鉱浸出速度の電位依存性と液組成依存性を調べ,制御目標となる最適電位がCu^<2+>、Fe^<2+>濃度の関数として表せることを明らかにした.本年度は,カラム浸出実験を実施し,鉱石堆積層の上部から散布する溶液のpHと電位を制御して黄銅鉱の浸出速度を増加させることを試みた.また,浸出速度のさらなる改善法について数値シミュレーションで検討した. カラム浸出実験は全実験期間を期間I〜IIIに分けて実施した.電位とpHの制御を行わなかった期間I(0〜10日)では,pHの上昇に伴って酸化剤Fe^<3+>が水酸化物として沈殿したために電位が過度に低下し,黄銅鉱は浸出されなかった.期間II(10〜37日)では,硫酸添加により散布液のpHを1.5付近に調節した.この結果,Fe^<3+>膿度と電位が増加して黄銅鉱が浸出されるようになった.期間III(37〜88日)では,pH制御を継続すると同時に,試薬の添加によるFe^<3+>/Fe^<+2>濃度比の調節により散布液の電位を黄銅鉱浸出の最適値付近に制御し,期間五の約3倍の浸出速度を得た. 以上の結果は,鉱石堆積層の上部へ散布する液のpHと電位を事前に制御すれば黄銅鉱の浸出速度が改善されることを示している.しかし,溶液と浸出残渣物の分析結果を詳細に検討したところ,鉱石堆積層上部から下部に向かうに従って,電位が低下して最適値から乖離し,黄銅鉱の浸出率が低下することが判明した.高さ方向の電位分布を最適化することを目標にして,溶液の散布速度や散布方法を数値シミュレーションで検討したところ,鉱石堆積層の上部のほかに中段の数箇所から溶液を多段散布することで浸出速度をさらに改善できることが予想された.
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