2005 Fiscal Year Annual Research Report
衛星リモートセンシングと地球システムモデルによる地球環境変動メカニズムの解明
Project/Area Number |
17360432
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 靖 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (80283472)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安成 哲三 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (80115956)
才野 敏郎 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (60126068)
渡邊 誠一郎 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 助教授 (50230967)
檜山 哲哉 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教授 (30283451)
|
Keywords | 炭素循環 / リモートセンシング / エルニーニョ / NDVI / 陸域生態系モデル / 純一次生産量 / シンプルモデル / 海洋循環 |
Research Abstract |
本研究は、炭素循環や気温上昇等の将来予測を行うことを目標とする。まず衛星リモートセンシングにより陸域植生の時間・空間変化を解析した。1987年〜1997年の期間中に出現したエルニーニョやラニーニャが、どのように陸域植生の動態と関係しているのかについて調べるために、月平均NDVIと月平均の気象データを用い、ラグ相関解析を適用して両者の季節変動や年々変動について考察した。その結果、エルニーニョは全ての陸域植生に対して、主に降水量の減少によって負の影響をもたらしていることが明らかになった。さらに、エルニーニョは7〜17ヶ月の遅れを伴って陸域植生の活性度に影響を与えており、熱帯や亜熱帯では遅れが小さかった一方、温帯や冷帯では遅れが大きかった。 次に陸域生態系の炭素循環を定量的に捉えるため、新たな陸域生物圏モデルBEAMSを構築した。BEAMSの特徴は、光合成活動における環境への応答を植物生理学に基づいて定義した点である。BEAMSによる炭素循環の推定値は、ローカルな実測値との相関が高いことが確認できたため、全球スケールでの純一次生産量の空間的・時間的パターンの解析に適用し、その時間変動の要因を把握するためモデル感度解析を行った。その結果、エルニーニョやピナツボ山噴火時の気温や降水量の変化が、陸域炭素循環に大きく影響を与えることが特定できた。 また全球スケールでのシンプル地球システムモデルの構築を行った。特に緯度方向と深さ方向の2次元の海洋循環サブモデルと、水蒸気輸送を考慮した南北1次元氷床サブモデルを拡張し、長時間気候変動の解析にも使えるようにした。このモデルによる計算によって、海洋循環強度と大気中の二酸化炭素濃度、および海面温度が連動して自律的に振動する解を見いだした。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
-
[Journal Article] A terrestrial biosphere model incorporating nitrogen cycles (BEAMS-N)2005
Author(s)
Tamura, T., Sasai, T., Okamoto, K., Yamaguchi, Y.
-
Journal Title
Proc.1^<st> International Symposium of 21^<st> Century COE Program "Satellite Ecology", Linking remote sensing, ecology and meteorology for regional ecosystem studies (SATECO 2005), Gifu University
Pages: 68-71