2007 Fiscal Year Annual Research Report
衛星リモートセンシングと地球システムモデルによる地球環境変動メカニズムの解明
Project/Area Number |
17360432
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 靖 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 教授 (80283472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安成 哲三 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (80115956)
才野 敏郎 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (60126068)
渡邊 誠一郎 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (50230967)
檜山 哲哉 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 准教授 (30283451)
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Keywords | リモートセンシング / シンプルモデル / 陸域生態系モデル / 炭素循環 / 温暖化 / 氷期-間氷期 / 氷床 / 大気大循環モデル |
Research Abstract |
地球システムにおける多様な時間空間スケールでの環境変動のメカニズムを明らかにするため、様々なフィードバック過程を含んだシンプル地球システムモデルを構築じた。まず大気-海洋系におけるエネルギー循環と炭素循環の相互作用系のシンプルモデルを構築した。現在の海洋では、深層のCO_2分圧は高く保たれているため振動解は生じないが、生物ポンプの特性が変わって深層のCO_2分圧が低くなると、振動解が生じることがわかった。また炭素循環サブモデルとエネルギー循環サブモデルから構成される全球1次元(緯度方向)モデルにより、温暖化によって陸域生物圏の炭素固定量がどのように変化するかを調べた。その結果、土壌分解の温度依存性だけでなく、光合成の二酸化炭素肥沃化効果や温度依存性も重要であることが定量的に示された。 次に大気海洋結合大循環モデルを用いて、ヒマラヤ・チベット高原の上昇がアジアモンスーン気候や乾燥気候成立に果たした役割を評価した。その結果、北半球夏季における亜熱帯高気圧の形成には、基本的にチベット高原の存在が重要であることがわかった。さらに氷期・間氷期サイクルにおけるチベット高原の植生変化の役割に焦点をあてて数値実験を行い、山塊上昇に伴って植生分布が変化し、さらに植生増加によるフィードバックにより、降水量増加が起こることが示された。 また衛星リモートセンシング観測により、全球スケールでの蒸発散量のマッピングとその年々変動を明らかにすることを目的として検討を行い、MODISなどのように、日中に-度きりの衛星リモートセンシング観測であっても、蒸発散量の日々変化の検出が可能であることを見出した。特に、下向き短波放射量に対する潜熱輸送量の比の方が、有効放射エネルギーに対する潜熱輸送量の比よりも日変化幅が小さく、日々変化がより効果的に検出可能であることが示された。
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Research Products
(14 results)