2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360437
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小西 康裕 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (90167403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 俊之 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (00285305)
長嶺 信輔 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (30335583)
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Keywords | リサイクル / 廃棄物再資源化 / 環境バイオテクノロジー / 貴金属 / バイオミネラリゼーション / ナノ粒子 / Shewanella algae / 金属還元細菌 |
Research Abstract |
1.プリント基板等の浸出液を対象にした貴金属イオンのバイオ還元・回収 非シアン系浸出剤であるチオ硫酸アンモニウム塩水溶液(均相触媒Cu(II)イオン)を利用するプリント基板からの金の浸出を想定し、チオ硫酸アンモニウム水溶液中のAu(I)イオンを還元細菌Shewanella algaeを用いて還元・回収できる操作条件を検討した。浸出液がpH 10の場合でも、Au(I)イオンのバイオ還元・析出が30分以内にほぼ完了し、中性の場合と同程度の還元速度が得られた。金の浸出操作(最適pH 9.5〜10.5)とAu(I)イオンのバイオ還元・析出操作においては、両操作での溶液pHが同程度になって好都合である。また、チオ硫酸アンモニウム水溶液を浸出剤に用いる場合、金の浸出を促進する触媒としてCu(II)イオン(最適濃度20〜30mol/m^3)が添加されるが、S.algae細胞によるAu(I)イオンの還元・析出速度はCu(II)イオン濃度の影響を受けないことも明らかになった。 2.細菌細胞外での貴金属の還元・析出と細胞内還元酵素の液相への抽出 還元細菌S.algaeによるAu(III)イオンの還元・析出実験を酸性条件下で行った結果、溶液pH 2.8の場合には様々な形態(三角板状、六角板状も含む)の金ナノ粒子(粒子径15〜200nm程度)が細胞外(液相)に生成した。溶液pH 2.0の場合、細胞表面には20 nm程度の金ナノ粒子が生成し、細胞外には350nm程度のナノ粒子が生成した。溶液pH 7.0では細菌のペリプラズム空間(細胞の外膜と内膜の間)に10〜20nm程度の金ナノ粒子が生成することを昨年度に明らかにしており、本年度は出発溶液を酸性(pH 2.8,2.0)に調整することによって金ナノ粒子の生成場、形状、粒子径が変化することを見出した。金粒子の生成場が変化したのは、酸性溶液では細胞内還元酵素が細胞外(液相)に放出されることに起因すると考えられる。また、酸性条件下でもS.algae細胞によるAu(III)イオンの還元・析出は30分程度の短時間に完了した。
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Research Products
(3 results)