2006 Fiscal Year Annual Research Report
熱分解ガス化-改質によるリサイクルプロセスにおける環境安全
Project/Area Number |
17360438
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
川本 克也 独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会・廃棄物研究センター, 室長 (50257325)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 畏 独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会, 廃棄物研究センター・NIESポスドクフェロー (20391097)
倉持 秀敏 独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会, 廃棄物研究センター・主任研究員 (50353537)
葛西 栄輝 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50134044)
|
Keywords | 熱分解ガス化-改質 / リサイクルプロセス / 環境負荷物質 / 環境安全 / 揮発性有機化合物 / 芳香族化合物 / ダイオキシン類 / 触媒 |
Research Abstract |
本研究では、廃棄物の低酸素雰囲気下での熱分解ガス化-改質プロセスにおける環境負荷物質の発生挙動と影響因子等を解明し、有効な対策要素技術を提示し環境安全に資することを目的とする。 18年度は、ガス化-改質による水素ガス生成に有効なニッケル(Ni)系触媒と酸化カルシウム(CaO)を組み合わせたプロセスにおけるダイオキシン類と多環芳香族化合物(PAH)および揮発性有機化合物(VOC)の発生特性に関する実験研究を前年度に続き詳細に行った。廃木材、RPF試料などを対象としたガス化工程および触媒充てん層を含む改質工程での物質除去特性の把握を行い、さらに後段に設けたチタン-バナジウム触媒による上記汚染物質の分解除去性について検討した。その結果、ダイオキシン類はガス化-改質工程が低酸素条件であることから全般的に生成濃度は低く、また触媒による除去も有効に働くこと、一方で、炭素と水素のみからなるPAH個別化合物はガス化工程後で数μg/m^3〜数十mg/m^3にわたる広い濃度範囲で存在し、低酸素プロセスでの生成に留意する物質群であることが明らかになった。ガス化から改質問でこれらPAHは低減するが、チタン系触媒による低減はあまりないことが示された。ガス化工程での低減機構は、主としてNi系触媒による分解作用とCaOのもつその促進効果によるものと推測された。 また、分解の困難なVOCのベンゼンを効果的に分解可能と期待される白金(Pt)-アルミナ系触媒の適用に関し、ガス化-改質工程であることによる低酸素条件での分解特性を温度との関係で明らかにした。すなわち、酸素濃度0.5vol%の雰囲気でも700℃において95%以上の分解率となり、これは触媒適用のない場合の約10%と比較すると格段に向上することを示した。
|
Research Products
(5 results)