2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケールの界面設計に基づいた異種材料接合の限界強度の解明とその向上
Project/Area Number |
17360449
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 学 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40226006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 充啓 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60333861)
長谷川 晃 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80241545)
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Keywords | 第一原理計算 / 異種材料界面 / 界面強度 / スクラッチ試験 / コーティング / 付着力 |
Research Abstract |
本研究ではこのような異種材料接合界面における接合機構に関する基礎的な理解を深めること及びその接合強度についての知見を得ることを目的とします。異種接合を含む材料システムの信頼性/安全性向上のための指針を得ようとするものです。異種材料としてセラミックスと金属との組み合わせを対象とし、第一原理計算に基づく接合強度の計算を行うと共に被覆接合体を作製し、電子顕微鏡による構造解析や接合強度の直接測定実験を含めた統合した研究手法を駆使し接合被覆の制御因子の把握と機構の理解を深めます。 本年度は以下の3点について概要をまとめます。 1.[接合体モデル作製]: アルゴンガスDCスパッタ法によりバナジウム合金上へイットリウム酸化物の皮膜を作製しました。成膜後の熱処理により皮膜の結晶性が向上することがX線回折により明らかになりました。 2.[接合界面の力学的性質の評価]: 作製した接合被覆試料についてスクラッチ試験法により皮膜の密着性を付着強度で評価しました。接合の密着性は皮膜作製後の熱処理条件に主に依存することがわかりました。 3.[第一原理計算に基づく金属セラミックス界面接合強度の算出]: 金属とセラミックスとの界面の力学的性質の理解を深めるため第一原理電子状態計算を行いました。スーパーセル法を用いたスラブモデルにて界面を作成し、金属と酸化物セラミックスの組み合わせについて計算を行いました。界面の方位は最もひずみが少なくなる方位を選び、またエネルギーの最小化によって安定な構造を求めました。また表面あるいは界面を形成するために必要なエネルギーから界面の結合エネルギーを定義し接合強度を評価しました。接合強度については界面間隔距離と結合エネルギーの関係を整理し導きました。金属とセラミックスの組み合わせとして、バナジウム・カルシア、バナジウム・マグネシア、ニッケル・ジルコニアを対象としました。
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